公表前の県道工事の入札情報を漏えいするよう唆したとして、和歌山県警捜査2課などは26日、県議の冨安民浩(本名・冨安民夫)容疑者(76)を地方公務員法違反(唆し)の疑いで逮捕した。他に情報を漏らしたとして元県日高振興局建設部長、柳岡太容疑者(61)を同法(守秘義務)違反容疑で、元建設会社社長の清水達成容疑者(61)を同法違反(唆し)容疑で逮捕した。【駒木智一、安西李姫】
容疑は2023年5月と9月にあった総合評価落札方式の県道工事の入札で、最高評価と次点の業者を公表前に教えるよう冨安容疑者と清水容疑者が柳岡容疑者に依頼し、柳岡容疑者が電話で2人に情報を伝えたとしている。同課は3人の認否を明らかにしていない。県警は26日、日高振興局を家宅捜索した。
県県土整備部によると、総合評価落札方式は入札金額のほかに業者の技術力や地域貢献などを総合的に評価する入札方式で、最高評価となった業者が最も安い入札額とは限らないという。
冨安容疑者は日高郡選出で9期目。議長も経験した県議会の重鎮だった。柳岡容疑者は1984年4月入庁。県道路建設課長を経て2022年4月から日高振興局建設部長を務め、24年3月に定年退職していた。
議長「深くおわび」
逮捕を受け、県議会の鈴木太雄議長は「大変遺憾なことであり、多くの方々に迷惑と心配をかけ深くおわび申し上げる。県議逮捕という事実を重く受け止める」、岸本周平知事は「元職員が逮捕されたことは誠に遺憾。捜査の進展を見守りたい」とそれぞれコメントを発表した。
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