北海道で暮らす忙しいママの1日を追いかける観察ドキュメント「ママドキュ」

 ママさんたちのリアルな1日をのぞくと、限られた時間で家事・育児などをこなす究極の時短ワザの連続でした。


サッカー選を目指す4人の男の子

 「普段のままで…」とお伝えしたら、律儀にメイクもせず、お出迎えしてくれた主役ママ。札幌市北区に住む、めぐみさん38歳。14歳・11歳・8歳・6歳の4人のサッカー少年を育てるママです。

 プロサッカー選手を目指す子どもたちの為に、一日のほとんどの時間を費やし、サポート。働くママと変わらない、いや、それ以上かもしれない大変さが見えてきました。


便利グッズでレンチン時短調理

 午前6時半、朝ごはんとお弁当作りに取り掛かります。

 めぐみママのお気に入りが、このレンチン容器。

 内側に水切りがついているので、ザルとボウルの役割を果たしてくれます。適度な深さがあるので、この中で味付けをすることも可能。食材の旨みや栄養を逃がさず、短時間で調理できます。

「我が家流」唐揚げはデンプンでカリカリに!

 お肉系の料理は高校の体育教師のパパの担当。

 弁当のときは必ず絶対唐揚げのリクエストがくるといいます。しかもパパの
おいしく揚げる裏ワザがあるといいます。

 おにぎりには、お手製のふりかけ。ゴマ・しらす・鰹節を使って作ります。

 具材が出来上がったら、次は盛り付け。

 かわいく弁当箱に盛り付けていきます。

ダシはそそぐだけ 冷蔵庫でつけておくだけ!

 あとは朝食用にみそ汁を作ります。ダシはそそぐだけで時短。

 子どもたちのプレーにも大きく影響する、毎日の食事作り。ジュニアアスリート・ママの、一番の大変さが伝わってきます。

 朝練をした子どもたち。これだけ動いた後の朝食。一体どんな栄養素を、どれだけ摂取すればいいのか。めぐみさんが今一番頭を悩ませていることです。

ママも悩む「ジュニアアスリート支える食」とは?セミナーで学ぶ

 そんなお悩みを解決するべく、向かったのは帯広市の明治北海道十勝オーバル。

 「ジュニアアスリート夢応援塾」。スピードスケートで未来のオリンピアンを目指す、十勝の小学生85人が集結していました。

 オリンピック金メダリストの清水宏保さんにスケートを指導してもらった後には、明治の管理栄養士による「食育セミナー」が開催されました。

『栄養フルコース型』が基本 主食と果物をしっかり摂る

 講師を務めた管理栄養士・大沼七海さんに、めぐみママのお悩み「朝練をした後の朝食で必要な栄養素」について教えてもらいました。

 「朝食も『栄養フルコース型』の食事が基本ですが、ジュニアアスリートの皆さんは練習などでたくさんのエネルギーを使っています。『栄養フルコース型』の食事の中でも、主食と果物をしっかり摂りましょう。

 「例えば、バナナやオレンジジュースをお家に常備しておくと、お子さんでも自分で簡単に用意して摂ることが出来ます」(明治 管理栄養士 大沼七海さん)

食べるハードル下げる・調理いらない食品で栄養アップ

 他にも、同じようにジュニアアスリートを育てるママたちは、食事作りのどんな事に、難しさを感じているのでしょうか?

 朝がダラダラでなかなか進んでいかない。入らない時は…「ちっちゃいオニギリ作ってみたり、口に運びやすいものにしてみたりすることはあります」

 これは大正解!食べるハードルを下げてあげるのは、とても効果的なんだそう。

 他にも…「もし皿数を減らしたとしても、栄養はしっかり摂れるように例えばトーストの時にはジャムやバターではなく、ハムやチーズをのせて栄養をアップしたり、野菜は汁物にすることで食べやすくなるので、スープもオススメです」

 中でも一番多かったお悩みが…栄養バランスについて。

 小柄なお姉ちゃんの栄養が気になると言うママは、牛乳とか、ヨーグルトとかチーズとか食べさせるそう。調理しなくても、そのまま食べられる物をプラスしてなるべく栄養を摂っているそうですが…

 こちらもバッチリ! おかずだったら、魚肉ソーセージや、ちくわ、納豆など常備しておけば、火を使わなくてもそのまま食べられるのでおすすめです。

 何より我が子の事を考えるママたち。手探りながらも、しっかり対応できていたんです。

 競技の技術を高めると同時に、食育について学ぶこともトップアスリートを目指す上で必要なんです。

子どもたち支えるため退職「今しかない」

 午前8時40分、保育園へ送り向かいをするめぐみさん。2年前までは、子育てと仕事を両立していためぐみさん。

 「フル(タイムで働いていた時)はマジで朝もやばいし、子どもたちの時間がマジでなかったから」(めぐみさん)

 4人の男の子を育てながら建築会社で営業職として働き、副業で高校の体育を教えていました。

 末っ子もサッカーに打ち込み始めると、充分にサポートしてあげられていない状況に、限界を感じるように。

 「今しかないっていうのがその時あって、大きくなってからやれることじゃない」(めぐみさん)

 仕事を全て辞めて、子どもたちのプロサッカー選手になる夢を全力で応援するという選択をしました。


三男は1人でスペインにサッカー留学に

 練習の前の”補食”は、移動中に食べられて必要な栄養素が摂れる物を作ります。

 「タンパク質摂れるのがいいかな。あと安い、自分で作ると安いから、材料費は卵と米粉でちょっとだけ。ごはん作る時間もそうだし、いろんなことに時間を使えるようになってきたから、時間をお金で買ってるような感覚」(めぐみさん)

 しかし、そうも言っていられないのが現実…実はこの時、8歳の三男がなんと、1人でスペインへサッカー留学に行っていたんです。

 3週間の日程で、旅費・食費・大会参加費などで総額約80万円。

 「うちは金ないからあきらめてたけど…それが自信となってやってほしいっていうのが一番にあったから」(めぐみさん)

 将来有望とされた選手だけが行ける海外留学。いざ選ばれたら、行かせてあげたいのが親心です。

隙間時間でアルバイト

 午前11時、隙間時間でアルバイトに取り組むめぐみさん。

 隙間バイトは「ご年配の困りごとを助ける」というもの。この日は 「裏庭の畑を耕してほしい」 という依頼でした。

 どうにか家計への負担を減らそうと必死です。

 「ただの便利屋さんというよりは、昔ながらの助け合い、できることやってあげるみたいな感覚でお手伝いしてますね」(めぐみさん)

サッカーママのインスタ・キャラに変身

 ここで、一旦メイク直し。かと思いきやなんだか様子がおかしい。これ実はインスタグラムでめぐみさんが演じる“サッカーママ”のキャラクターなんです。

 「伝えたいことはたくさんあるんだけど、偉そうにも聞こえてほしくないし。でもなんか、インスタグラムに出てきたらこれ!っていキャラクターを探してて」(めぐみさん)
 
 「うちの子PK外すの、メンタル弱いのっていうお母さんいない?」(めぐみさんのSNSより)

 4人全くタイプの違うサッカー少年を育ててきためぐみさん。いろんな悩みにぶつかり、「解決してきた経験を生かしたい」と、同じ悩みを持つ、ジュニアアスリートのママたちに向けてSNSで情報を発信しています。

 このコスプレ姿は、そんなママたちに見つけてもらえるようにと、めぐみさんなりの戦略なんです。

 午後3時半、いそいでメイクを直し保育園のお迎え。子どもたちをサッカーの練習に送り届けます。移動中の車内で、子どもたちが補食の米粉ケーキをほおばります。

 午後4時15分、夕食作り。ここから、ママも戦いが始まります。サッカーの練習が終わるまでの1時間で4品のおかずを作ります。

 ですが、想定外の事態に。スペインにサッカー留学中の三男からの電話が鳴りやみません。

 一人、遠い国で頑張る我が子を邪険にするワケにもいかず…

 「あ、また電話来てる。もっしー。ちょあと10分待って」(めぐみさん)


 ヤーコンは生で食べれるからニンジンがシンナリしたら、味付けをします。
 
 なんとか、時間内に4品完成しました。午後5時15分、子どもたちの送り迎えです。

 午後6時には整骨院。子どもたちの体のメンテナンスに付き合います。家族揃って夕食を摂れる日はほとんどありません。

 帰宅しためぐみママを待っているのは、大量の泥だらけの練習着。そんなめぐみママのベストバイがこれ、「ブルースティック」。

 刑務所で受刑者たちが作っている石鹸で、30年以上前からあるんです。黄ばみや泥汚れが劇的に落ちると、最近話題になり品切れになったほどの人気。

 午後7時40分、洗濯中に晩酌タイムです。

 「全てを投げうってサポートしても、成長過程の子どもたちだからこそ、すぐに結果がついてくるわけではない」

 「いい時ばかりじゃなくて我慢の時期の方が長くて、でもそれ乗り越えてやっとその先にシュート決めたとか何か成長が見られた時にやっぱりやって良かったって思うから。毎日が発表会みたい、こんな経験サッカーやってなかったらできない」(ともにめぐみさん)

 「いつも、ありがとう!」

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