国際政治学者で東京大名誉教授の猪口孝(いのぐち・たかし)氏が11月27日に発生した東京都文京区の自宅火災で死去した。警視庁が1日、現場で発見された遺体の身元を猪口氏と確認した。死因は焼死。80歳だった。国際政治の分野で活発な研究・言論活動を続けた。妻は自民党の猪口邦子参院議員(72)。
孝氏は1944年、新潟県生まれ。東京大から米マサチューセッツ工科大に進み、博士号を取得した。上智大助教授を経て東大教授、日本国際政治学会理事長を歴任。2009年に開学した新潟県立大の学長も務めた。
専門の国際関係論を中心に「世界変動の見方」など多くの著書があり、1982年の「国際政治経済の構図」はサントリー学芸賞を受賞した。
火災は11月27日夜に発生した。マンション最上階の6階にある孝氏宅から出火し、約150平方メートルが燃えた。火災では2人の死亡が確認された。警視庁によると、孝氏以外のもう1人は同氏の長女(33)と確認された。死因は焼死だった。
同庁によると、出火元は部屋の応接室とみられる。現場の状況から第三者が介在した可能性は低い。現場の焼損が激しく原因は不明だが、失火の可能性が高いという。
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