今年4月、新潟地裁が原告47人のうち26人を水俣病と認め、原因企業の旧昭和電工に対し、賠償を命じた新潟水俣病第5次訴訟の控訴審が始まりました。
【新潟水俣病第5次訴訟 皆川榮一 原告団長】
「なぜ、こんなに長い期間、この問題が解決できないんでしょうか。私たちは、この国と企業を絶対に許すことはできない」
12月3日、環境省の前でこう訴えていたのは、国と旧昭和電工に損害賠償などを求める新潟水俣病第5次訴訟の皆川榮一原告団長などです。
新潟水俣病をめぐり、未認定の患者たちが国と原因企業の旧昭和電工を相手取り、約11年前に起こしたこの裁判。
原告149人のうち結審した47人について、新潟地裁は今年4月、26人を水俣病と認め、旧昭和電工に一人あたり400万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。
ただ、このときも国の責任は認められず、原告側は控訴。
旧昭和電工も判決内容を不服として控訴し、3日、東京高裁で控訴審が始まりました。
裁判で、原告側は一審で認められなかった国の責任と水俣病に認定されていない原告19人の認定を求めています。
法廷に立った原告団長の皆川さんは「国と旧昭和電工は自分たちの責任を認め、謝罪して、すべての被害者の救済を進めてほしい」と訴えました。
約1時間の裁判を終え、皆川さんは…
【新潟水俣病第5次訴訟 皆川榮一 原告団長】
「裁判は、ちょっと短めに決着がつくのかなというような気がしたし、一部勝訴では納得がいかない。やはり全員が救済される、その道筋をつけてもらわないことには納得しない」
果たして東京高裁はどのような判断を示すのか…次の裁判は来年2月25日に開かれます。
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