2023年の茨城県内の救急搬送件数は、過去最多となる14万件。全国でも救急車の出動件数は増加していて、2023年は764万件と過去最多に。

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“救急車のひっ迫”が深刻さを増す中、問題となっているのが…「病院で待ちたくない」「虫にさされたよ~」といった“緊急性のない”搬送要請です。

茨城県も同様の問題を抱えています。

茨城県 大井川和彦知事:
救急車が無料のタクシー代わり
になってしまっているという現状は、かなり憂慮すべきものであるという風に私どもは考えておりますので。

緊急性のない救急搬送「選定療養費」徴収

そこで、2日から茨城県が都道府県として全国で初めて運用を開始したのが、緊急性がない救急搬送の“実質有料化”です。

茨城県は、緊急性がないと医師が判断した救急搬送の場合、病院が患者から「選定療養費」という費用を徴収することにしたのです。

2023年、茨城県で救急搬送された約14万件の内訳を見てみると、約半分が緊急性の低い軽症でした。

2日から県内22の病院において、緊急性の有無を医師が判断。緊急性なしの場合、7700円を基本として最も高額な病院では1万3200円が徴収されます。

この新たな取り組みに県民からは…。

50代女性:
大した病気じゃないのに(救急車を)呼ぶ方がいっぱいいるって問題になってたから、それはそれでいいのかなと。

20代女性:
万一自分が苦しくても軽症だったらと考えると、すごい躊躇はしますよね。

いばらき消防指令センターを取材

3日、めざまし8が取材したのは、「いばらき消防指令センター」。

指令員:
火事ですか救急ですか?
救急車が向かう場所、市町村から教えて下さい。
1階にいるんですね。今の症状としましては、便秘でお腹とか痛いんですか?

激しい腹痛を訴える80代の男性からの通報。

またすぐに別の通報が入ります。

指令員:
落ちた?
通報者:
胴上げして落下?
指令員:
意識ある?
通報者:
意識なし。
指令員:
目は開いてる?目は開いてます?開きっぱなしね。

実質有料化が始まったなかでの取材中、電話口だけで明らかに「緊急性がない」と判断できる通報はありませんでした。

新たに始まった取り組みにセンター長は…。

いばらき消防指令センター 小林良導センター長:
現在119番通報が多く入電されているような現状がありますので、重篤な患者さんに直近の救急車を向けられなくて、2番目3番目に近い所から救急車を向けるようなこともあります。
そういった部分でこれから救急負担の軽減がある中では、住民の皆さまの救命率の向上につながると思っています。

その一方で県やセンター長は、「重症度の判断がつかない場合は迷わず救急車を呼ぶように」とも呼びかけています。

119番通報して良いか分からない時は、こんな窓口もあります。

「♯7119」救急安心センター事業
医師・看護師・相談員が病気やけがの症状を聞き、救急車を呼んだ方が良いか病院を受診した方が良いかなどを案内。

「♯8000」子ども医療電話相談事業
休日・夜間 子どもの症状にどう対処したら良いのかなど判断に迷った時に、小児科医師・看護師に相談できる。

若狭勝弁護士

若狭勝弁護士:
方向性としては良い方向だと私も思います。ただ「迷ったら救急車呼んでください」というのはかなり強く周知しておかないと、1万円前後のお金がかかるというとそれだけで良いかと思ってしまうことがあり得るということです。
「お金かかるんだな…じゃあいいか」と思ってしまうのが、命を落としちゃうかどうかというすれすれの場合もあり得るわけです。
茨城県の試みに私は賛成しますけれど、一方で強く言っておかなければいけないのは、救急車を呼ぶことをためらわないでくださいと。

MC谷原章介

MC谷原章介:
僕の父も今年の夏熱中症になりまして、体調悪かったので「♯7119」に電話したんですよ。そしたら「大丈夫だ、外来を受けてくれ」って外来に行ったら軽度の熱中症で。「これは一晩泊まるかどうかというぐらいのところですから、救急車呼んでください」って言われたんです。プロの方でもそれだけ判断が難しい面もあるわけですから、もしかしたら外来で時間がかかっていたら命を落としていたかもしれませんし、危ないと思ったら呼ぶことに躊躇してはいけないと。
(「めざまし8」12月4日放送より)

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