首都圏を中心に相次ぐ強盗などのうち、9月に栃木県益子町の住宅に窃盗目的で侵入しようとしたとして、住居侵入未遂罪に問われた森健太郎(25)と佐々木花梨(かりん)(22)の両被告の初公判が5日、宇都宮地裁真岡支部(楠大輔裁判官)であり、いずれも起訴内容を認めた。検察側は、佐々木被告について「短期間で高収入」をうたうSNS(ネット交流サービス)の投稿に応募し、指示役から「ブラックの空き巣をすると(報酬は)最高40万円」などと持ち掛けられていたと指摘した。
一連の事件は8月27日以降、7都道県で28件発生。SNSの「闇バイト」に応募した実行役ら60人以上が逮捕され、このうち、公判は今回が初とみられる。
起訴状によると、佐々木、森両被告は9月11日午後4時ごろ、益子町の住宅で窓ガラスをガスバーナーや金づちで割ろうとしたが、近隣住民に発見され未遂に終わったとしている。
公判で検察側が読み上げた供述調書などによると、佐々木被告は「明智光秀」を名乗る指示役から「ホワイトとブラックどちらがいいか。ブラックの空き巣をすると最高40万円」などと聞かされ、「80万円が欲しくて参加した」と説明。応募理由については「彼氏と旅行し、おそろいのネックレスを買いたかった」と供述したという。
一方、森被告は9月上旬、東京都内の飲食店で面識のない人物から「人を運べば2万円」と持ち掛けられ、事件当日、レンタカーを借りて初対面の佐々木被告と合流。その後、「空き巣」を指示されたという。森被告は公判の被告人質問で「逮捕直後はだまされたと思ったが、今は取り返しのつかないことをしてしまったと思う」と述べた。【池田一生】
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