核兵器廃絶を訴えて署名を集めている「高校生平和大使」のうち長崎県在住の2人が7日、ノルウェー・オスロで10日にある日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)へのノーベル平和賞授賞式に出席するため長崎市を出発した。被爆者の家族が折った千羽鶴を持参し、現地の高校で開く出前授業などで被爆者の苦しみや核廃絶への願いを伝える。
県立長崎西高2年の大原悠佳さん(17)は「現地では被爆の後遺症について伝えたい。今回の渡航が、高校生や若者が被爆者の思いを引き継ぐ弾みになるようにしたい」と語り、県立長崎東高2年の津田凜さん(16)は「核兵器の問題や原爆被害は過去のものではなく、今も続いていると訴えたい」と話した。広島、熊本各県からも高校生平和大使が1人ずつ派遣される。
平和大使は1998年、核拡散防止条約(NPT)非加盟のインドとパキスタンが核実験を実施したことに危機感を募らせ、長崎市の市民団体が高校生を国連に派遣したのが始まり。これまでに全国の高校生が集めた計272万3142筆の署名を国連に届け、ノーベル平和賞候補にも推薦されている。【百田梨花、樋口岳大】
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