観覧予約が始まった「山姥切国広展」のポスター。国広と長義が向かい合う=2024年12月5日、太田穣撮影

 栃木県足利市が取得したゆかりの名刀「山姥切(やまんばぎり)国広」=国重要文化財=と同刀の本歌(手本)とされる「本作長義」=同、徳川美術館所有=が同時展示される足利市立美術館の特別展「山姥切国広展―名匠の軌跡、名刀の誕生」(来年2月8日~3月23日)の事前観覧予約が始まった。20日まで受け付けて抽選し、12月末までに結果を通知する。

 事前予約・抽選制は、混雑や長い待ち時間が発生した過去の展示の反省を踏まえて導入した。午前10時~午後6時の開館時間を1時間ごとに区切った観覧枠を設け、1枠あたりの入館者を最大140人程度に絞る。

 予約サイトは、市ホームページなどからアクセスできる「LivePocket」。1日8枠のうち1枠に限り、複数日分を申し込むことができるが、当選はひとつのアドレスにつき1枠だけ。同伴者を含め、最大5人で鑑賞できる。

 観覧枠に空きが出た場合は、1月中に2月分、2月中に3月分の予約を先着順で受け付ける。また、市民向けには、本来の休館日のうち4日間を「市民の日」と位置付け、予約なしで鑑賞できるよう配慮した。

 市での山姥切展示は、総入場者3万7820人の2017年、同2万5580人の22年に続いて3回目。今回は外郭団体の市民文化財団による購入後初のお披露目で、本歌の長義とのそろい踏みは初。期間中は、刀剣鑑賞会や職人体験のワークショップ、国広一門(堀川派)が鍛えた刀5振りを手にできるイベントなども別会場で随時開かれる。

 早川尚秀市長は「ゆとりを持って観覧でき、満足度の高い展示を目指す。過去2回を上回る4万人超の来場を期待する」と話した。

 観覧料は一般1500円、高校生・大学生は1000円。問い合わせは同美術館(0284・43・3131)。【太田穣】

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