部下の女性検事に性的暴行を加えた罪に問われている、大阪地検のトップだった男の裁判。
初公判で起訴内容を認めたものの一転、次回の裁判から無罪を主張していくことが明らかになりました。
被害を訴える女性検事が11日午後、会見を開き、今の思いを打ち明けました。
女性検事:
きのう、元検事正・北川健太郎被告が、自身が犯した準強制性交等の罪について否認に転じ、無罪を主張していることを知り、絶句し泣き崩れました。被害申告したせいで、私は自分の恥をさらしただけで、大切なものを全て失ってしまった。組織のトップから受けた性犯罪被害を訴えることがこれほど恐ろしく、これほどまでにひどく傷つけられ続けることだなんて思いもしなかった。しかし私は検事です。検事として正しいことを貫きたいという思いから、改めて申し上げます。被告人は私をどこまで愚弄(ぐろう)し、なぶり殺しにすれば気が済むのでしょう。検察のトップにいた人が、事件から6年もの間、一度たりとも被害者の苦しみを想像せず、真に罪を償おうと思うことがなかったことは、被害者としてもとても悲しく、検事としてもとても情けないです。被告人がどのように主張しようが真実は一つです。司法の正義を信じます。
女性検事に性的暴行を加えた罪に問われている人物は、“関西検察のエース”とまで呼ばれた大阪地検の元検事正、北川健太郎被告(65)です。
6年前の2018年9月、大阪市内の宿舎で、酒に酔って抵抗できない状態となった部下の女性検事に性的暴行を加えた罪に問われています。
2024年10月に開かれた初公判。
検察側は冒頭陳述で、「泥酔状態で宿舎に連れ込まれ、気が付いた時には性交されていた。“やめて”と言ったが、“これでお前も俺の女だ”と言われ、抵抗すれば殺されるという恐怖を感じた」と指摘。
北川被告は「争うことはしません。被害者に深刻な被害を与えたことを謝罪します」と、起訴内容を認めていました。
しかし、初公判から2カ月足らずの10日、新たに選任された北川被告の弁護人が会見を開き、これまでの弁護方針を一転させ、無罪を主張すると表明したのです。
また、初公判で起訴内容を認めたことについては、「これ以上、事件関係者や検察関係者に迷惑をかけたくなかった」と説明していることを明らかにしました。
こうした主張を受けて11日、再び会見を開いた女性検事は「今の私にできることをしたい。会見でお話しすることで理不尽な被害に苦しんでいる方々に少しでも寄り添い、性犯罪の撲滅につなげることができたらと思い、無我夢中でお話ししました」と訴えました。
大阪地検の元トップによる部下への性的暴行を巡る次回の裁判の日程は、まだ決まっていません。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。