窓や壁の断熱性能や省エネ性能を高め、さらに太陽光発電などでエネルギーをつくり出すことでエネルギーの消費量を実質ゼロにする住宅のことを指す「ZEH(ゼッチ=ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」。

このZEHに対し、新潟の気候に合わせ、さらに高い断熱性などを基準に新潟県がおととし、独自に定めたのが「雪国型ZEH」です。

「脱炭素」を掲げ県が推進していますが、普及は進んでいるのでしょうか?

こちらは去年2月に取材した新潟市内の住宅。

【記者リポート】
「暖かい。寒さを感じません。暖房は?」

【ハウスメーカー担当者】
「消しています。無暖房でも、おおむね13℃を下回らない」

高い断熱性や省エネ性能、さらに太陽光発電設備を備えた“雪国型ZEH”の基準を満たした住宅です。

県の試算では、雪国型ZEHで基本としている断熱性能を満たすための工事にかかる初期費用は一般的な省エネ基準の住宅と比べ46万円増える一方、年間の冷暖房費は8万円削減されるといいます。

脱炭素を掲げる県は、この雪国型ZEHを推進するため、昨年度から基準を満たした住宅の建築に補助金を支給しています。

こうした中、4月30日、花角知事はハウスメーカーが県の補助を活用し建てた雪国型ZEHのモデルハウスを視察しました。

おととしから取り組んでいる雪国型ZEHの推進ですが、県によりますと2022年度にその基準となる断熱性能を満たした新築住宅は1000棟あまり、新規着工の約1割にとどまっています。

花角知事は自ら体感した雪国型ZEHの断熱性能などをアピールするとともに、さらなる普及へ力を入れる考えを示しました。

【花角知事】
「知ってもらう。啓発・周知活動をしっかりやっていく必要がある。(雪国型ZEHの普及で)目標とする2050年カーボンニュートラルに近づいていくのではないか」

県は雪国型ZEHの普及に向け、専門家や住宅関係団体・金融機関などで構成する推進協議会を立ち上げています。

有利な住宅ローン商品や補助制度の周知を進めていくということです。

雪国型ZEHの普及により脱炭素という大きな目標に向け進んでいけるのか、今後の取り組みが重要になります。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。