酒に酔った部下の女性検事に性的暴行を加えたとして準強制性交罪に問われた元大阪地検検事正の弁護士、北川健太郎被告(65)の弁護人が13日、女性が現職検事の地位を乱用して検察の内部資料を持ち出した疑いがあるとして、大阪地検に調査を求める要望書を送付したと明らかにした。
弁護人の中村和洋弁護士によると、検察側が弁護側に開示した証拠に、北川被告が大阪地検次席検事在任中に作成した別の準強制わいせつ事件の訴訟資料が含まれていた。
資料は北川被告が準強制性交罪や準強制わいせつ罪が成立するための要件となる抗拒不能の状態を理解していたことを裏付ける証拠として、女性側が提出したものだった。女性はこの事件の捜査の担当ではなかったとみられるという。
中村弁護士は、女性が検事の職権を乱用して内部資料を入手した疑いがあると主張。「個人として被害申告した事件のために、プライバシー情報を含む別事件を利用したとすれば由々しき事態だ」と述べた。
被害女性の代理人弁護士は「要望内容がわからず、また要望先が検察庁のため、現時点で何か申し上げる立場にはない」とのコメントを出した。
被告は6月の逮捕後、「同意があると思っていた」などと容疑を否認。10月25日の初公判で「事実を認め、争いません」と起訴内容を認めた。その後、主任弁護人となった中村弁護士が12月10日に記者会見し「被告に女性が抗拒不能だったとの認識はなかった」と主張。一転して無罪を主張すると表明していた。
起訴状などによると、被告は検事正在職中の18年9月12日深夜から13日未明、大阪市内にある自身の官舎で、酒に酔い抵抗できない状態の部下の女性検事に性的暴行を加えたとされる。
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