北海道根室市で撮影された、クマが車を襲う衝撃映像。実はクマから身を守るためのヒントが隠されていました。遭遇した場合どうしたらいいのでしょうか。

 「いた、いた、いた!」(車の運転手)

 車めがけて突進してくるクマ。

 クラクションの音にひるむことなく襲いかかり、フロントガラスにはひびが。

 60代の男性が山菜を採るため軽トラックを運転していたところ、クマと遭遇したのです。

 画面左側には子グマとみられる姿も。

 「見た、今の? 来た、来た、来た!」(車の運転手)

 その後、車を追いかけてきますがなんとか逃げ切り、男性と同乗者にはケガはありませんでした。

 なぜ、クマは車を襲ったのでしょうか。

 クマの生態に詳しい専門家は。

 「母グマと子グマの間に入ってくる車に対して威嚇するような行動」(酪農学園大学 佐藤 喜和 教授)

 子グマのあとを追っていた母グマは接近した車を排除し、子グマを守ろうとしたといいます。

 その際、まるでフェイントをかけるように横への動きを見せました。これは一体、どのような行動なのでしょうか。

 「『威嚇突進』という、自分が怒っていることを伝え相手を止めようとか、接近しないようにするための行動。特に子グマを連れた母グマが行う典型的な行動」(佐藤教授)

 車がその場を離れても、執拗に追いかけてきたクマ。その理由とは?

 「自分の威嚇に対して、車がさらに自分の方に向かってくる。母グマは非常に興奮しているので、背中を向けて走り去るものに対しては反射的に追うような行動をとっても全く不思議ではない」(佐藤教授)

 それでは車を運転中にクマと遭遇したら、どうしたらいいのでしょう。

 「クマが前方にいる状況で接近するのは慎むべき。速やかに停止し、バックするゆとりがあれば下がって距離を取る」(佐藤教授)

 北海道警察によりますと、2024年に入ってからの北海道でのクマの目撃は213件。

 4月だけで135件と、クマの活動が活発化していることが分かります。

 札幌市北区のホームセンター「ジョイフルエーケー屯田店」では、クマ対策グッズのコーナーを設置しました。

 「以前は鈴のように音を鳴らして、遠くにいるクマを避ける商品が売れていた。今は近くにいるクマに対応する商品を客は考えていると思う」(ジョイフルエーケー屯田店 新酒 英暁 副店長)

 クマと遭遇するケースが増えていることから撃退スプレーが売れていますが、それだけでは不十分だといいます。

 「クマ撃退用のスプレーは、万が一至近距離で遭遇した際は非常に有効。鈴の音はクマに確実に聞こえているし、人を避ける行動をとるのでぜひ使ってほしい」(酪農学園大学 佐藤教授)

 クマに人の存在を知らせることが大切です。

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