国の重要無形民俗文化財に指定されている相馬地方の伝統行事「相馬野馬追(のまおい)」の関係者の会合が14日に福島県南相馬市で開かれ、「未婚の20歳未満」との女性の出場条件の見直しが議論された。保存会の専門委員会から「現状継続が望ましい」との意見が出た一方、見直しを求める声も上がった。出場条件を決める五郷騎馬会長会は全5地区の騎馬会ごとに議論し、来年2月までに意見をまとめて最終判断する方針を示した。
南相馬市博物館によると、女性の出場は戦後初開催の1947年に解禁され、53年に成人女性が初出場した。84年には「化粧をしない」のほか「未成年の未婚者」との条件が「騎馬会決定事項」で明文化された。だが、今年4月の執行委員会総会で条件の緩和を求める意見が出て、関係団体が検討に入った。
この日は保存会の諮問機関、保存専門委員会から女性の出場制限について「野馬追の本質的価値である『武家文化の継承』という趣旨を勘案すると一定の意義があると考えられ、現状継続が望ましい」との見解が示された。
一方、五郷騎馬会長会は「性別を問わず、野馬追の本質的価値を尊重し、武士らしさ、技術力、健康面、社会性などを勘案し適格性を判断していくべきものと考える」などと意見を述べるにとどめた。北郷騎馬会の牛渡康光顧問(80)は個人の見解として「社会の変化をみても一定の見直しが必要」と訴えた。【尾崎修二】
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