大阪・関西万博のロゴマークなどがラッピングされた新幹線に乗り込む人たち(13日、JR新大阪駅)

2025年国際博覧会(大阪・関西万博)の開幕まで1年となった13日、公式キャラクター「ミャクミャク」をあしらったラッピング列車の運行が東海道・山陽新幹線で始まった。関西の私鉄も含め、各地と会場を結ぶ担い手として、イベントの企画など機運醸成に向けた取り組みを加速させている。

新大阪駅では同日午後2時ごろ、車体の側面にミャクミャクや公式ロゴマークがラッピングされた鹿児島中央駅行きの新幹線が到着すると、写真撮影する利用客の姿がみられた。親族の見送りに訪れた東大阪市の小学1年生の男児(6)は「ミャクミャクがかわいくて万博が楽しみになった」と話した。

万博ラッピングが採用された車両は新大阪駅を発着する東海道・山陽新幹線など計4編成で採用され、25年10月の閉幕まで走る。北陸、九州の各新幹線でも運行する。JR西日本の担当者は「西日本エリアの企業として大阪・関西を中心に万博を盛り上げていきたい」と意気込みを語った。

阪急電鉄は万博1年前を記念したイマーシブ列車を運行した(13日、大阪梅田駅)

阪急電鉄はこの日、乗客がイマーシブ(没入型)体験を楽しめる特別列車「EXPOトレイン阪急号」を臨時運行。大阪梅田駅では約100人がラッピングを施された列車に乗り込み、宝塚、今津、神戸の各路線を経由し、2時間かけて同駅に戻った。

車内では乗客参加型の演劇が企画され、パズルゲームやブラスバンド演奏なども盛り込まれた。さらに1970年の大阪万博当時の沿線駅の写真や広告が展示されたほか、沿線6自治体とコラボしたマルシェでの食品や清酒、グッズ販売もあり、乗客らはそれぞれの電車旅を楽しんだ。

乗客らは沿線の6自治体とコラボしたマルシェでの買い物を楽しんだ(13日)
70年大阪万博当時の内装を再現した車内には、当時の広告が掲載された(13日)

兵庫県宝塚市在住の社会福祉法人職員、辻咲子さん(46)は、電車好きの長男の琉生くん(4)と参加した。「電車内という限られた空間で他の乗客と一緒にパズルを解くことで、一体感を味わえた」と非日常感を楽しんだ。神戸市の会社員男性(56)は「通勤で使う電鉄線だが、普段通らない経路や体験を楽しめる」と話し、池田市のマルシェで購入した弁当と清酒を味わった。

阪急電鉄の担当者は「単なる移動手段以上のモノやコトの体験価値の提供を通じ、大阪の街全体で盛り上げたい」と語った。

万博ラッピングが施された南海電鉄の特急ラピートの車両

南海電気鉄道は、南海本線の難波駅と関西空港駅を結ぶ特急「ラピート」のラッピングに、海中の生命をイメージした公式デザイン「Umi(うみ)」を採用。13日から列車の運行を始めた。

同社ブランド統括部の南和男課長補佐は「万博ラッピングは関西の主要私鉄で行っており、企業の垣根を越えて全社で気運を高めていきたい」と話している。

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