大阪・北新地の雑居ビルが放火され26人が犠牲となった事件は17日、発生から3年となり、現場を訪れた関係者や遺族らが冥福を祈った。「優しすぎる息子だった」。癒えない悲しみを抱えながら、大切な人に思いをはせる姿がみられた。
「お金をいくら積んでも命は帰ってこない」。息子を亡くした70代女性はこの日午前、現場に足を運んだ。事件後はショックのあまり、8カ月間泣き続けた。体調も崩し、回復するまで長期間の治療を余儀なくされたという。
優しい性格で家族思いだったという我が子。妻子を残したまま命を絶たれた無念を思い「あの世で心配をかけるわけにはいかない。私も頑張って孫の成長を見届けたい」と語った。
現場となった8階建てのビルの入り口の扉にはチェーンが巻かれ、「関係者以外立入禁止」との張り紙が掲示されたまま。放火された心療内科クリニックが入居していた4階の窓は板で覆われていた。
亡くなった院長の西沢弘太郎さん(当時49)の妹、伸子さん(47)はビルの前にペットボトルの水を供え、お経を読み上げた。兄のように心の病に悩む人々に寄り添うため、昨年6月から僧侶になる修行を始めたという。
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