学力を問う入試の年内実施を公表した東洋大と大東文化大に対し、「大学入学者選抜実施要項」で定める期日を逸脱しているとして文部科学省が見直すよう指導していたことが17日、同省への取材で分かった。両大学の入試は予定通り行われた。
文科省は毎年、実施要項をまとめ、全国の大学に通知。2025年春入学者用の要項は、学力試験を課す場合の期日を「25年2月1日から3月25日までの間」と定めている。小論文や面接などによる試験は、2月1日より前でも実施できる。
しかし、両大学は今年11〜12月の学校推薦型選抜で、「基礎的な学力をみる」などとして国語や英語の学力試験を課すと公表した。
高校関係者から「授業が終わっていない」などの相談があり、同省は10月、両大学にルールを順守するよう要請したものの、日程は変更されなかった。
東洋大の担当者は「要項の内容を踏まえて実施した。一般選抜の学力試験とは異なる位置付けという認識だ」と説明。大東文化大の担当者は「一般選抜とは異なり調査書などと総合的に判断している。要項の逸脱には当たらず、解釈の範囲だ」とした。
一方、関西の複数の大学では長年、学力試験を課す学校推薦型選抜が11〜12月に行われてきた。文科省はこれらの大学からも状況を聞き取っており、今後、全ての大学にルール順守を求める通知を出すことも検討している。〔共同〕
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