10月に宮崎空港の誘導路で戦時中の不発弾が爆発した事案を受け、国土交通省は17日、那覇空港で不発弾が埋まっていないかどうか調べる「磁気探査」を開始した。探査は来年1月末までの平日、運航に支障が出ない午後11時~午前6時の時間帯に実施する。

 国交省は宮崎空港での爆発を受け、仙台、松山、福岡、那覇の4空港で磁気探査を実施すると発表していた。いずれも旧軍用飛行場として使われていた国管理の空港で、不発弾が見つかった前例がある。

 那覇空港では17日の運航が終わった午後11時50ごろ、業務委託を受けた調査員が作業を開始。専用機器を持って滑走路周辺を歩き、深さ2メートルまでの磁気の変動を計測した。

 大阪航空局那覇空港事務所によると、那覇空港内で工事を伴わない磁気探査を実施するのは初めて。

 公共工事では、掘削を伴う工事は不発弾の磁気探査が義務化されているが、これまで磁気探査が行われなかった部分を中心に調査するという。

 今回の対象は、戦後に埋め立てられた300メートルの滑走路を除いた2700メートルの滑走路沿い。両幅それぞれ10メートルの「ショルダー」と呼ばれる路肩と、幅15メートルの緑地帯を含む約9万200平方メートルの範囲。今後、予算が付き次第、誘導路などにも範囲を広げるという。

 来年1月末までに磁気反応のデータの収集や解析を終え、磁気の異常が発見されれば、レーダー探査を使用した詳しい調査や試掘を実施する。

 鶴戸英明次長は「安心して空港を利用してもらえるよう、安全性をさらに向上させていきたい」と話した。(社会部・垣花きらら)

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