政府の補助が終了し、2024年12月に請求される電気料金は一般家庭で600円ほどの値上がりとなり家計を直撃する。そこで、これからの寒い時期にも長時間の使用で電気代がかかるエアコンの上手な使い方を聞いてみた。

エアコン電気代は冬場が高い?

12月からの電力会社の値上げ
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熱中症対策などでフル稼働していたエアコンはこれからの寒さを迎える時期にも活躍する場面は多い。ただ、頭が痛いのが電気代だ。

インタビューに答える男性(静岡市内)

街では「大変ですよ、節約で。暖房はあまり付けられない」という声や「主婦は本当に頭が痛い。食品も高くなってきちゃったし全てに困る」「自分で温かくしたり、戸締りを早めるとかで電気を使わず温かくするようにしている」といった声が聞かれた。

夏と冬の設定温度と外気温の差

一般に冬場は設定温度と外気温の差が夏と比べて大きいため、電気代も高くなる傾向にある。

電気代節約のポイントを聞く

エアコン(提供:三菱電機)

では、エアコンをどのように使えば無駄な電力を消費することなく部屋を温められるのだろうか?

三菱電機 営業部の井出光さんは「効率的に部屋を暖めるポイントは3つ。1つ目はエアコンの風向を下向きに設定すること」と教えてくれた。

「冷たい空気は下にたまり、温かい空気は上がっていくため風向を下にして空気をかき混ぜて温度ムラを防ぐ」のだという。

この時、最も重要なのが角度で、温かい風がしっかり届くよう床に対して60度以上にするのがよいそうだ。

風速の違いによる比較

ただし、いくら風を下に向けても床まで届かなければ意味がない。

そこで「2つ目のポイントは風速を“強”に設定すること」と井出さんは話す。

温かい風が床をつたって部屋全体へと広がるように風速を「強」にすることが重要となる。

そして、3つ目のポイントとして井出さんは「左右の風向を人がいるエリアに調整すること」を挙げた。

一般にエアコンを暖房で運転した場合、設定温度を1℃下げると省エネ性能が約10%高まると言われているため、風は上下の角度だけでなく左右の方向も気に掛ける必要があるそうだ。

井出さんは「足元が暖かいと設定温度が多少低くても寒さを感じにくく、快適に過ごすことができるため、左右風向は人がいるエリアに調整を」と話す。

暖房効率を更にアップさせる

エアコンと対角線に置かれたサーキュレーター

また、暖房効率を上げるための方法は他にも…。

井出さんが勧めるのはエアコンと一緒にサーキュレーターを併用することだ。これによって、天井付近にたまった温かい空気を部屋全体に循環できるという。この時、サーキュレーターをエアコンの対角線上に起き、エアコンの吹き出し口に向けて風を送ることが大切になる。

さらに、井出さんはエアコンのフィルター掃除をすることもの重要性も強調。フィルターにホコリが溜まっていると十分な風を送ることができず、効率的な運転を妨げる要因になる。

特に、2024年は夏場の酷暑により「エアコンの使用時間が長かったため内部に汚れがたまりやすくなっている」と井出さんは話す。

周囲にモノが置かれた室外機

そして、普段あまり目にしないため忘れてしまいがちなエアコンの室外機についても「室外機の周辺に物があると空気の流れを遮り効率的な運転の妨げとなる」と注意を促した。

12月の街並み(静岡市内)

気象庁が発表した3カ月予報によれば 東海地方2月まで平年並みの冷え込みとなる見通しとなっている。

一方、政府は2025年1月から3月までの電気・ガス料金の補助を再開すると発表した。

しかし、家計負担を少しでも軽くし、二酸化炭素削減にもつながるエアコンの使い方について、改めて見直す良い機会が来ているのではないだろうか。

(テレビ静岡)

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