静岡市の中心市街地に点在している女性の裸体像。難波市長は設置場所について見直す考えを示しています。

市民、そして設置した当時の市長はどう考えているのでしょうか。

静岡市・難波喬司 市長:
今の時代にそぐわないということですね

2024年12月13日、難波市長が設置場所の見直しを示唆したのは市内の公共の場所に設置されている「女性の裸体像」です。

村田彬 記者:
JR静岡駅南口に来ています。こちらにはバス乗り場やベンチがありますが、そのすぐ目の前に裸婦像が設けられています。かなり人通りも多い印象です

JR静岡駅南口の駅前広場に設置されているフランスの画家・ルノワールが制作した「勝利のヴィーナス」と「洗濯する女」。

また、このほかにも市内では駿府城公園の周りや常盤公園など市街地に女性の裸体像が点在しています。

静岡市・難波喬司 市長:
裸婦像自体は芸術作品なので、それ自体を否定するわけではない。公共の開かれた、しかも目につきやすい空間、駿府城公園や駅の南口などは非常に目につきやすい空間で、そこに置くのではなく、作品の鑑賞環境にふさわしい場所に置くのが良いのでは

人が行き交う場所に設置された女性の裸体像。市民の反応は様々です。

女性:
子供が外で服を脱いでいいんだ、と。何でいけないの、と思ってしまう可能性もある

女性:
良いんじゃないですか。孫たちを連れているとなかなか美術館に行って見ることができないので。私は良いと思います

男性:
特に何にも考えたことはないけれど、気にする人もいるのですね。考えすぎなのではと思う

ルノワールの彫刻像は1994年にJR静岡駅南口の駅前広場を再開発する際に約1億3000万円かけて設置されたものです。

設置した当時、市長を務めていた天野進吾さん。

移設の話が出ること自体に驚くとともに当時の地元の要望や思いを語りました。

当時の静岡市長・天野進吾さん:
駅南再開発に新しくデビューするときに(地域住民から)「記念碑を置いてほしい」と、それだけのものが南口広場に置かれたら駅南の住民も喜ぶだろうね、と。再開発でこうした記念碑が置かれたことが自分たちの誇りだろうと。「裸婦像だから」と言われるとはまったく思ってはいなかった

その上で仮に移設するのであれば閉ざされた場所ではないところにしてほしいと話します。

当時の静岡市長・天野進吾さん:
例えば新しい図書館を作るとか文化的な施設の玄関の入り口に置くならそれもいい。奥にしまってしまうのは、やっぱりもったいない

公共空間での芸術作品の在り方は…。

難波市長は、設置場所を見直す場合には有識者や市民の意見を聞き考えていくということです。

女性の裸体像をめぐりほかの自治体などではどうなっているのでしょうか?

兵庫県宝塚市の橋に設置されたブロンズ像が、橋の補修工事に伴い一時撤去されました。

その後 再び設置するかどうかとなった際に市民団体が反対の署名活動をするなど議論が巻き起こり、最終的に設置を見送ったそうです。

この問題、鎌田さんはどう考えますか?

ジャーナリスト・鎌田 靖さん:
この話で思い出したのは、明治時代に著名な画家の黒田清輝が裸体画を公開展示した時に「風俗を乱す、けしからん」と幕で隠されてしまったという話です。
何となくそれと同じような気がします。
私は難波市長の発言が明治時代のようで「今の時代にそぐわない」と感じます

ただいまテレビの「静岡市の中心市街地に設置されている“裸婦像”違和感ありますか」というアンケートでは、ある23% ない77% となっていました。

果たしてこの問題どのような結論となるのか注目していきたいと思います。

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