記者会見で横田早紀江さんの写真を見せる拉致被害者家族会代表の拓也さん(4月30日、ワシントン)=共同

【ワシントン=共同】北朝鮮に拉致された横田めぐみさん(失踪当時13)の弟で、被害者家族会代表の拓也さん(55)が4月30日、ワシントンで記者会見し、被害者の早期帰国に向けて米政府高官や連邦議員に支援を求めたと明らかにした。母、早紀江さん(88)の写真を見せ「高齢化している親世代には時間がない」と早期解決を訴えた。

拓也さんは米側に、全ての拉致被害者の即時一括帰国が実現するなら日本の独自制裁解除に反対しないとの新たな運動方針も説明し、理解を求めた。「対話路線に軸足を移した運動方針は苦渋の判断だった」と伝え、反論されなかったという。

家族会からは田口八重子さん(失踪当時22)の長男で事務局長の飯塚耕一郎さん(47)も参加した。古屋圭司元国家公安委員長ら超党派でつくる「拉致救出議員連盟」や支援団体の「救う会」の関係者も同行した。

一行は30日に国家安全保障会議(NSC)のラップフーパー上級部長、ゼヤ国務次官、クリテンブリンク国務次官補らと会談した。古屋氏は「意見の一致が見られた」と振り返った。

国務省のパテル副報道官は30日の記者会見で「長く苦しむ日本人拉致被害者の家族を支援する。歴史的な過ちを正し、行方不明者について全て説明するよう北朝鮮に促し続ける」と述べた。

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