防衛省=東京都新宿区で、小川昌宏撮影

 21日に防衛省が安全確保の追加措置を講じた上での飛行再開を発表した陸上自衛隊の輸送機オスプレイ。九州各地からは、防衛省の対応に批判や指摘が相次いだ。

 佐賀空港(佐賀市)へのオスプレイ配備計画に反対し、工事差し止めを国に求める訴訟の原告の一人で、佐賀県鳥栖市の牧師、野中宏樹さん(62)は「これまでオスプレイ事故で多くの方々が亡くなり、いつ私たちの頭の上に落ちてくるか分からない。(防衛省の判断は)拙速とかではなく、暴挙だ」と憤った。そして「事故原因が十分に説明されたことは一度もない。引き続き防衛省に対して申し入れや質問をしていきたい」と語気を強めた。

 また、2023年11月に鹿児島県の屋久島沖で発生した米空軍輸送機CV22オスプレイの墜落事故を海上で目撃した島の漁師、中島正道さん(69)は「目の前でエンジンが火を噴き、水柱が上がり、割れたヘルメットが浮いていた」と振り返り、「『安全だ』と言われても、うのみにできるわけがない」と断言。「人家に落ちたらどうなるのか不安は拭えない。日本も米国も人命を最優先にしてほしい」と訴えた。【佐藤緑平、平川昌範】

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