送検のため警視庁田園調布署を出る若山耀人容疑者(2日午前8時31分)=共同

栃木県那須町で全身が焼かれた夫婦の遺体が見つかった事件で、死体損壊容疑で新たに逮捕された実行役とみられる男2人が「遺体を処理した後、数百万円の報酬を受け取った」などと供述していることが2日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁などは2人が報酬を約束されたうえで遺体の焼損に関わったとみて捜査を進める。

警視庁と栃木県警の合同捜査本部は4月下旬、平山綾拳容疑者(25)と佐々木光容疑者(28)を死体損壊容疑で逮捕。5月1日に実行役とみられる韓国籍の姜光紀(カン・グァンギ)容疑者(20)と若山耀人(きらと)容疑者(20)の2人を同容疑で逮捕した。

4人は4月16日未明から朝までの間、那須町の山中の河川敷で東京都千代田区の会社役員、宝島龍太郎さん(55)と妻の幸子さん(56)の遺体に火を付けて損壊した疑いがある。

捜査関係者によると、姜、若山両容疑者は4月下旬時点で大阪府に滞在していたことが確認されている。その後、姜容疑者は神奈川県に、若山容疑者は千葉県に移動し、それぞれ身柄を確保された。各地を転々として逃亡を図っていた疑いもある。

平山容疑者は「佐々木容疑者から千数百万円の報酬をもらい、姜、若山両容疑者にも配った」などと供述している。姜、若山両容疑者は身柄を確保された時点で現金を所持していたが多額ではなかったという。捜査本部は報酬を既に使っていた可能性があるとみて裏付けを進める。

姜、若山両容疑者は16日未明、東京都品川区の空き家で宝島さん夫婦と接触し、平山容疑者から借りた車を使って那須町の現場に向かったとみられる。捜査本部は夫婦が亡くなった経緯についても詳しい事情を聴いている。

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