栃木県那須町で全身が焼かれた夫婦の遺体が見つかった事件で、犯行に使われた車などを手配し死体損壊容疑で逮捕された男が、警察に出頭する直前に指示役の男と会っていたことが2日、捜査関係者への取材で分かった。手配役は「指示役にスマートフォンを渡した」などと供述、スマホは見つかっていない。警視庁などは証拠隠滅の可能性もあるとみて調べる。

警視庁と栃木県警の合同捜査本部はこれまでに平山綾拳容疑者(25)、佐々木光容疑者(28)、韓国籍の姜光紀(カン・グァンギ)容疑者(20)、若山耀人(きらと)容疑者(20)の計4人を同容疑で逮捕。佐々木容疑者から遺体処理の指示を受けた平山容疑者が姜、若山の両容疑者に依頼したとみられる。

平山容疑者は事件が発覚した翌日の4月17日午前6時半ごろ、JR五反田駅(東京都品川区)近くの交番に出頭した。

捜査関係者によると、出頭する約30分前に平山容疑者と佐々木容疑者が同駅周辺で数分間接触していたことが防犯カメラの画像に映っていた。この際にスマホを渡したとみられる。

佐々木容疑者は「別の人物から指示されて平山容疑者からスマホを預かった後、コインロッカーに入れた」などと説明しているという。供述には不審な点もあり、捜査本部は慎重に裏付けを進める。

事件は4月16日に発覚。那須町の河川敷で東京都千代田区の会社役員、宝島龍太郎さん(55)と妻の幸子さん(56)の遺体が焼損された状態で見つかった。捜査本部は逮捕された4人とは別に事件を主導した人物がいるとみて捜査している。

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