白米千枚田付近の隆起岩盤を利用して開通した仮設道路。手前は破損した元の道路=2024年5月2日、石川県輪島市で竹中拓実撮影

 石川県輪島市の名勝・白米(しろよね)千枚田付近の国道249号が2日、通行可能になった。大規模迂回(うかい)を余儀なくされていた同市東部の住民からは「やっと輪島中心部の市役所やスーパーに通える」と安堵(あんど)の声が聞かれた。

 土砂崩れで通行できなくなった約800メートルの区間のうち、430メートルは土砂の除去の見通しが立たず、隆起した岩盤に盛り土するなどして、北側に湾曲する1車線道路(幅5メートル)を造成した。

 緊急車両や地元車両向けの造成で、途中にすれ違いのための待避スペースがある。波の高い日などは通行止めになる恐れもある。

白米千枚田を見渡す国道は、奥の隆起岩盤部に仮設道路ができたことで通行車両が戻った=2024年5月2日、石川県輪島市で竹中拓実撮影

 輪島中心部まで車で20分程度だった同市南志見(なじみ)地区は、南方の能登町をぐるりと迂回(うかい)して、渋滞がなくても輪島中心部まで1時間以上かかる道のりを強いられていた。

 南志見地区の区長会長、古酒谷政幸さん(76)は「復旧に4~5年かかるという話もあり、心配していた。仮設住宅の住民が病院にも行きやすくなる」と笑顔を見せた。【竹中拓実】

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