本格営業再開に当たり、浴場を確認する旅館「花ごよみ」の北村金次社長(3日午後、石川県七尾市=共同

能登半島地震で大きな被害が出た和倉温泉(石川県七尾市)の旅館「花ごよみ」が3日、本格営業を再開した。温泉設備が約4カ月ぶりに復旧した。社長の北村金次さんは「温泉街全体で復興へ向けて盛り上がるきっかけになれば」と話した。和倉温泉旅館協同組合によると、加盟する旅館・ホテルの中で、一般客の受け入れを再開したのは初めて。

地震でボイラーや配管が損傷し、温泉が出ない状態が続いた。旅館には水道などの復旧業者を中心に受け入れていたが、北村さんは「温泉に入ってもらえなかったのが心苦しかった」と明かす。

修繕を終えたのは今月2日。「これで気兼ねなくお客さまを迎えられる」と安堵した。初日は計9組の予約で満室に。愛知県豊田市の男性(63)は「地震後会えていなかった友人を励ますために来た。温泉が再開していて良かった」と話した。

石川県は能登半島の観光業を支援する「能登観光割」を年内にも開始する方針。北村さんは「復旧に2〜3年かかる宿泊施設もあると聞く。息の長い支援をしてほしい」と訴えた。〔共同〕

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