寒川神社の氏子代表が置いた虎の敷物の位置を確かめながら虎の敷物を並べる川匂神社の氏子代表=大磯町で、2024年5月5日午後0時1分、因幡健悦撮影

 旧相模国の6神社が集い、国家安泰を祈る「相模国府祭(こうのまち)」が5日、神奈川県大磯町の六所神社周辺で開催された。寒川神社(寒川町)と川匂(かわわ)神社(二宮町)が一番に格付けされる座を競うユニークな「座問答」があり、大勢の観光客らでにぎわった。

 祭りは、相模一之宮から四之宮の寒川、川匂、比々多(ひびた)(伊勢原市)、前鳥(さきとり)(平塚市)の各神社と平塚八幡宮(同)が六所神社に分霊を納めるため、当時、大磯にあった相模国府に集まったのが起源とされる。1000年以上の歴史があり、県無形民俗文化財に指定されている。

 全国的にも珍しい「座問答」は、相模国ができた時に当時の双璧だった寒川神社と川匂神社が一之宮のポジション争いを繰り広げるもの。両神社が虎の皮の敷物で上座をとりあい、比々多神社が「いずれ明年まで」と仲裁に入ったという伝承を儀式化している。敷物を前へ前へと進める氏子代表の姿はあつい信仰心の表現だが、ユーモラスな味わいがある。【因幡健悦】

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