大崎署を出る関根誠端容疑者=東京都品川区で2024年5月7日午前9時18分、藤井達也撮影

 栃木県那須町の河川敷で夫婦の遺体が見つかった事件で、死体損壊容疑で逮捕された夫婦の娘の内縁の夫が事件当日、実行グループの指示役とみられる男性と東京都内で接触していたことが捜査関係者への取材で判明した。警視庁と県警の合同捜査本部は、事件を主導したとされる内縁の夫が当日のうちに、実行グループ側に報酬を渡した可能性があるとみている。

 事件を巡り、捜査本部は6日夜、死亡した宝島龍太郎さん(55)と妻幸子さん(56)=東京都千代田区=の長女の内縁の夫で、東京都世田谷区の会社役員、関根誠端(せいは)容疑者(32)を死体損壊容疑で逮捕した。

 捜査関係者によると、指示役とされる住所・職業不詳の佐々木光容疑者(28)は宝島さん夫婦の遺体が発見された当日の4月16日未明に、関根容疑者と東京都内で接触したとの趣旨の供述をしているという。さらに、16日朝にも、両容疑者が再び都内で落ち合う姿が防犯カメラに映っていた。

 佐々木容疑者は「ある人物から千数百万円を受け取った」と供述している。関根容疑者は事件に主導的に関わったとみられており、佐々木容疑者に報酬を渡すなどの目的で接触した可能性があるとみている。

 捜査本部は7日朝、関根容疑者の知人で千葉県船橋市の不動産会社役員、前田亮容疑者(36)も死体損壊容疑で逮捕。関根、前田両容疑者が事件前日の15日夜、夫婦と一緒に暴行現場とされる東京都品川区内の空き家方面に車で向かっていたことが確認されている。

 関根容疑者は、死亡した夫婦が経営する飲食店の業務を巡りトラブルになっていたとの情報もあり、捜査本部は2人が死亡した経緯についても調べている。

 事件では他にも、仲介役や実行役とみられる20代の男性3人が死体損壊容疑で逮捕されている。【岩崎歩、菅健吾、朝比奈由佳】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。