こども家庭庁は10日、過去5年間に自殺した小中高生のうち、学校に以前と変わりなく出席していた生徒が44%で最も多かったと発表した。本人の自殺の危機や心身の不調などが「周囲に気付かれていなかった」ケースも21%にのぼり、子どもの自殺の予兆が見えにくい問題点が明らかになった。

同庁が同日、子どもの自殺の要因分析に関する調査結果を公表した。調査は、各都道府県の教育委員会が保有する報告書をもとに、過去5年間で自殺した小中高生272人の置かれていた状況を分析した。

学校の出席状況に関し、「以前と変わりなく出席」が44%と最多で、「不登校または不登校傾向」(10%)や「2週間以上前から欠席が目立った」(8%)を上回った。

自殺の危機や心身の不調などの変化について、家族や友人に「気付かれていなかった」は21%で、回答があったケースのうち最も多かった。「自殺の危機を気付かれていた」は18%、「何らかの変化は気付かれていた」が15%だった。自殺の前後3日以内に学校行事などの予定があった子どもは31%だった。

子どもの自殺は深刻化している。2022年の小中高生の自殺者数は514人と過去最多で、23年は513人だった。政府は夏までに自殺対策のフォローアップを公表し、学校で1人1台配布するタブレット端末による異変の察知や、精神科医や弁護士らでつくる「若者の自殺危機対応チーム」による支援の進捗状況を確認する。

■相談窓口
・日本いのちの電話連盟
電話0120・783・556(午後4時〜9時)
電話0570・783・556(午前10時〜午後10時)
https://www.inochinodenwa.org/
・厚生労働省「こころの健康相談統一ダイヤル」やSNS相談
電話0570・064・556(対応時間は自治体により異なる)
https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/
・東京自殺防止センター(NPO法人国際ビフレンダーズ)
電話03・5286・9090(午後8時〜午前2時半)
https://www.befrienders-jpn.org/
・よりそいホットライン
電話0120・279・338(24時間対応。岩手、宮城、福島3県は末尾3桁が226)
https://www.since2011.net/yorisoi/

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。