自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金事件で、収支報告書にウソの金額を記載した罪に問われている安倍派の会計責任者が、東京地方裁判所で開かれている初公判で起訴内容をおおむね認めた。

安倍派の会計責任者・松本淳一郎被告は、派閥の政治資金パーティーをめぐり、およそ6億7500万円の収入と支出を収支報告書に記載しなかった罪に問われている。

午後2時半から東京地裁で開かれている初公判で、松本被告は、起訴内容を大筋で認めたうえで、一部の議員が中抜きした金額については把握していないと主張した。

東京地検特捜部は、キックバックの不記載について、松本被告と安倍派の幹部議員との間に共謀関係がないのか捜査したが、共謀は認められないと判断し、幹部議員の立件は軒並み見送られた。

今回の裁判では、キックバックと収支報告書への不記載が誰の指示でいつから始まったのか。また、2022年4月ごろ、安倍元総理の指示で一度は中止が決まったキックバックが継続になった経緯など、政治倫理審査会を経ても曖昧な派閥の決定プロセスが大きな焦点で、どこまで明らかになるか注目される。

一連の事件をめぐっては、東京地検特捜部が2023年12月、安倍派と二階派事務所の家宅捜索に着手し、国会議員3人と秘書、安倍派・二階派・岸田派の会計責任者らあわせて10人を立件していて、このうち略式起訴された4人はすでに有罪が確定している。

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