新潟県主催の式典に伊藤信太郎環境相が出席するよう求める要望書を、県幹部に渡した「新潟水俣病被害者の会」の小武節子会長(左から2人目)ら=新潟市中央区の県庁で2024年5月10日午前10時55分、中津川甫撮影

 新潟水俣病の患者団体は10日、新潟水俣病の公式確認から59年となる31日に開かれる新潟県主催の式典に、伊藤信太郎環境相の出席を求める要望書を国と県に提出したと発表した。熊本水俣病の公式確認日(5月1日)に合わせ、環境相が現地の患者団体などと毎年懇談しているのに対し、「新潟の被害者は大臣の前でマイクを持つ場さえない」と訴えている。

 県が31日に開くのは「歴史と教訓を伝えるつどい」。患者団体は昨年、環境相の出席を要望したが実現しなかった。新潟水俣病被害者の会の小武節子会長は新潟市で記者会見し、「同じ水俣病なのになぜ九州の方だけ大臣が出席するのか」と怒りをあらわにした。環境相の出席のほか、患者との意見交換の場を求めている。

 患者団体から要望書を受け取った県の担当課長は「大臣に来ていただくのがふさわしい。できる限りのことをやりたい」と国に働きかける姿勢を示した。【中津川甫】

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