「成瀬は天下を取りにいく」で本屋大賞を受賞した宮島未奈さん=東京都港区で2024年4月10日午後2時19分、和田大典撮影

 全国の書店員の投票で選ばれる2024年本屋大賞(同賞実行委員会主催)が10日発表され、宮島未奈さん(40)のデビュー作「成瀬は天下を取りにいく」(新潮社)に決まった。デビュー作での受賞は逢坂冬馬さんの「同志少女よ、敵を撃て」(22年)以来3人目。毎日新聞で連載していた津村記久子さんの「水車小屋のネネ」(毎日新聞出版)は2位だった。

 「成瀬は天下を取りにいく」は地元・大津市をこよなく愛する少女・成瀬あかりの日常を描いた青春小説。閉店間近のデパート・西武大津店に毎日通い、テレビ中継に映ろうとするなど、成瀬のユニークな言動が評判を呼んだ。

 宮島さんは静岡県富士市生まれ、大津市在住。21年に「ありがとう西武大津店」で「女による女のためのR―18文学賞」大賞など3冠を受賞。同作を含む「成瀬は天下を取りにいく」でデビューした。宮島さんは授賞式で「本屋大賞を受賞したことで、ますます多くの皆様に成瀬と出会っていただけるのがとても楽しみ」と笑顔を見せた。

 その他の受賞作は次の通り。翻訳小説部門1位=ファン・ボルム著、牧野美加訳「ようこそ、ヒュナム洞書店へ」(集英社)▽発掘部門 超発掘本!=井上夢人著「プラスティック」(講談社文庫)【松原由佳】

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