熊本地震で2度の震度7に襲われた熊本県益城町では14日、地震から8年になるのに合わせ、役場に隣接する震災記念公園で夕方から住民らが約440本の竹灯籠(とうろう)に明かりをともした。前震があった午後9時26分になると、集まった人々は黙とうで犠牲者に鎮魂の祈りをささげるとともに、今も厳しい状況が続く能登半島地震の被災地に思いを寄せた。
竹灯籠の点灯は2017年からボランティア主催で町内の仮設住宅の敷地内で毎年開催してきた。今回は初めて、23年6月に完成した震災記念公園で町の地域おこし協力隊員らによって実施された。住民らが作った竹灯籠には「感謝の気持ち忘れない」「能登の皆さんの安寧を祈ります」といった被災地を思う言葉などが書き込まれた。
自宅が全壊し仮設団地に入居していた時から毎回、夫や子どもと参加している権藤美穂さん(41)は「今は新築した家にも引っ越せて、ほっとした気持ちだが、犠牲になった方も多く、いつまでも忘れてはいけない特別な日。子どもたちにずっと覚えていてほしい」と話した。修理(しゅり)アサ子さん(77)はボランティアや避難生活で知り合った人に助けられたといい「今は恩返しの気持ち。能登半島地震(の被災地)が一日も早く復旧するよう願っている」と祈った。【森永亨、中里顕】
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