送検のため警視庁大崎署を出る平山綾拳容疑者=東京都品川区で2024年4月22日、宮間俊樹撮影

 栃木県那須町の河川敷で夫婦の遺体が見つかった事件で、殺人容疑で再逮捕された仲介役とされる建設業、平山綾拳(りょうけん)容疑者(25)の車から電気コードが押収されていたことが捜査関係者への取材で判明した。警視庁と県警の合同捜査本部は、実行役とされる2人が、電気コードで夫婦の首を絞めて殺害した可能性があるとみて調べている。

 捜査関係者によると、平山容疑者は遺体発見3日前の4月13日と翌14日、埼玉県内や東京都内でガソリンや電気コードを購入。21日に死体損壊容疑で逮捕された後、「首を絞めるにはロープが必要だと思ったが、ロープ売り場が見つからなかったので電気コードを買った」という趣旨の供述をしたという。

 平山容疑者は15日夜、実行役とされる職業不詳で韓国籍の姜光紀(カングァンギ)(20)と、元俳優の若山耀人(きらと)(20)両容疑者に、東京都品川区内で自分名義のセダン型の乗用車を引き渡していた。その際、電気コードなどもセダンに積んでいたとみられる。

 死亡した会社役員の宝島龍太郎さん(55)と、妻幸子さん(56)=東京都千代田区=の死因は窒息死。姜、若山両容疑者が15日深夜~16日未明に品川区内の空き家のガレージで、電気コードで首を絞めた可能性があるとみられる。

 また、夫婦が殺害された時間帯に、平山容疑者が空き家周辺を歩く姿が防犯カメラに映っていた。平山容疑者は「実行役から『終わった』『今から出る』などと連絡を受けていた」と供述。実行役とされる2人と通話し、状況を確認していたとみられる。

 捜査本部は、夫婦の長女の内縁の夫で主導役とみられる会社役員の関根誠端(せいは)(32)ら5人についても、殺人容疑で順次、再逮捕する方針。【岩崎歩、菅健吾、朝比奈由佳】

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