竣工記念式典には、長野県川上村の由井村長(前列左)らが出席(6日、川上村)

長野県川上村で砂防ダムの落差を利用して発電する水力発電所が完成し、6日に竣工式が開かれた。長野県企業局として25カ所目の発電所で、砂防ダムを活用したのは初めて。県は2050年のゼロカーボン達成を目指しており、柱の一つである水力発電所数を25年度末までに着手ベースで36カ所にする計画だ。

竣工した金峰山川発電所は22年5月に着工し、総事業費は6億5000万円。年間発電量は95万キロワット時で、一般家庭260世帯分をまかなえる。売電収入は年3500万円を見込む。停電時も発電できる自律運転機能を備える。竣工式に先立ち、1日に発電を開始した。

既存の「阿知端下(あちばけ)砂防ダム」の落差を利用し発電(長野県川上村)

県は18年度に発電所候補地の選定に市町村も巻き込む「新規電源開発地点発掘プロジェクト」を始め、今回発電所をつくった砂防ダムは川上村から推薦があった。竣工式に出席した由井明彦村長は「村内に発電所ができたことで災害発生時に素早い対応が可能になる。激甚化する災害への備えとして大変大きな期待を寄せている」と、完成を祝った。

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