日本気象協会と筑波大学は、天気の長期的な傾向を大まかに示す「季節予報」の新手法を開発した。海面水温や雲の発生や動きなどの対流活動を示すデータに注目し、誤差を20〜40%減らせたという。

新手法を基にした長期予報の提供も14日に始めた。まず1年半先までの梅雨入りや接近する台風の数などの傾向解説から始め、24年秋に2年先までの気温や日照時間の増減といった具体的な予測数値の提供を始める。

年単位で気象の傾向が把握できれば、季節ものの製品開発や生産が効率化する可能性がある。日本気象協会と筑波大は共同で特許出願した。

太平洋上の雲の活動を示すデータなどを基に新手法を開発した=気象庁など提供

気象庁は1カ月以上先の平均気温や降水量などの傾向を出す季節予報について「大気海洋結合モデル」と呼ぶ予測モデルなどを使う。

1カ月と3カ月の予報に加え、毎年2月と9月に最大半年先の気温の傾向などを予報している。ただ、1年先の天気予報の精度を高めるのが難しかった。

2年先の月別の日照時間などを予報する=日本気象協会提供

日本気象協会は筑波大の植田宏昭教授と協力し、大気海洋結合モデルの中でも、熱帯や亜熱帯の海面水温、雲の発生や動きなどの対流活動を示すデータに着目した。これにアメダスなどで得た地上のデータを掛け合わせて新たな予報の手法を開発した。

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