クエーサー「J0529-4351」のイメージ ESO/M. Kornmesser

<オーストラリア国立大学の研究チームが、太陽の170億倍の質量を持つブラックホールを発見した>

クエーサー(準恒星状天体)は銀河の中心で極めて明るく輝く天体で、その中心には超巨大ブラックホールがある。塵やガスがブラックホールに落ち込む際に電磁放射が放出され、輝く光が生まれる。

最近、観測史上最も明るい天体であるクエーサーが発見された。今年2月、英科学誌ネイチャー・アストロノミーに掲載された論文によれば、120億光年のかなたにあり、J0529-4351と名付けられたこのクエーサーは太陽の500兆倍以上明るい。


オーストラリア国立大学の天文学者で、論文の筆頭著者のクリスチャン・ウルフは、J0529-4351にあるブラックホールは「これまで知られている中で最も急速に成長している。質量は太陽の170億倍で、一日に太陽1つ分の質量を飲み込むことで宇宙で最も明るい天体となっている」と本誌に語る。

ウルフによれば、そのブラックホールは「おそらく宇宙で最もひどい場所だ」。雲が高速で動き極端に高温で、とてつもなく大きな稲妻があちこちで放電しているという。

クエーサーやブラックホールの研究は初期宇宙の理解にとって重要なものだ。宇宙の成り立ちや進化について多くの手がかりを与えてくれる。

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