衛星「だいち4号」は東京都心を観測した=JAXA提供

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は31日、地球観測衛星「だいち4号」で観測した画像を初めて公開した。地上の物体の大きさを3メートル単位で識別し、観測幅が最大200キロメートルとなる性能を確認した。東京都心やパリ市周辺の様子を鮮明に捉えた。

だいち4号はJAXAが開発し、三菱電機が設計や製造を担った。夜間や悪天候でも地上を観測できるレーダーを採用し、観測範囲は現在運用中の衛星「だいち2号」の4倍となる。地震などの災害発生時に、被害情報の迅速な把握につなげる。

7月1日、日本の大型ロケット「H3」で打ち上げられ、衛星が持つ機能を順次確認する運用をしている。15〜17日に初めての観測を実施した。

北海道を幅100キロメートルで観測した=JAXA提供

まず15日午前11時7分に、北海道札幌市から苫小牧市を幅100キロメートルで観測し、撮影画像の取得に成功した。同日午後11時38分に関東地方から富士山付近を幅200キロメートルで捉えた。16日午後9時10分には、35キロメートル四方の領域に絞って観測するモードでパリ市周辺を観測した。

JAXAは打ち上げから6カ月後となる2025年1月ごろをメドに、観測データの提供を始める。だいち4号の利用を広げるため、観測データを使ったサービスを提供する事業者を公募している。

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