AI活用の戦略を話すリコーの入佐孝宏コーポレート上席執行役員(22日、東京都港区)

リコーは22日、ドイツの新興企業ナティフAIを買収したと発表した。買収額は数十億円程度。同社は文章から情報を自動抽出する人工知能(AI)技術に強みを持つ。リコーのスキャナーや複合機などと組み合わせ、オフィス業務の効率化につなげる。

ナティフAIは19年設立でドイツ西部のザールブリュッケンに本社を置く。請求書や契約書などの文書データから、顧客名や商品番号といった情報を自動抽出する技術をもつ。これまで難しかった手書き文書や、しわくちゃになった文書にも対応できる。

リコーはナティフAIの技術で、オフィス業務の効率化サービスを拡充する。リコーの複合機でスキャンした注文書や納品書を解析し、これまで手作業だった突き合わせ作業を自動化するサービスなどを想定している。

ナティフAIの技術はドイツ語と英語に対応しており、日本語やフランス語などにも対応言語を広げる。同日、東京都内でAI活用の説明会を開いたリコーの入佐孝宏コーポレート上席執行役員は「デジタルを使って豊かな仕事ができるようにする」と話した。

リコーは19年に文書管理のIT(情報技術)システムを手がける独ドキュウェアを買収するなど、オフィス業務の効率化に関するM&A(合併・買収)を増やしている。

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