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<絶滅の危機にある希少なウォンバットの赤ちゃんの姿がオーストラリアの自然保護区で確認された>

オーストラリアン・ワイルドライフ・コンサーバンシー(AWC)の生態学者が、野生生物保護活動における重要な節目をお祝いしている。クイーンズランド州南西部で、絶滅の危機にあるキタケバナウォンバットの赤ちゃんが、深夜の散歩をしているところが動画に収められたのだ。

【動画】世界に400頭だけのキタケバナウォンバット、なかでも珍しい赤ちゃんの姿

キタケバナウォンバットは世界に400頭しか残っていないため、すべての目撃情報、なかでも幼獣の目撃情報は特に重要だ。

このウォンバットはオーストラリアで最も危機的な状況にある哺乳類の一種で、エッピング・フォレスト国立公園、ポウルナ州有林、リチャード・アンダーウッド自然保護区(RUNR)の3カ所のみに生息している。今回の動画はRUNRで撮影された。

AWCの上級フィールド生態学者アンディー・ハウは、「世界で最も危機的な状況にある動物が、フェンスに囲まれた安全な場所で元気に暮らし、繁殖していることがわかったのはとても喜ばしいことだ」と声明の中で述べた。

ハウがこの発見をしたのは、RUNRで撮影された100時間超のカメラトラップ映像を見ていたときだ。動画にはウォンバットの赤ちゃんが巣穴から出てくる姿が映っており、これはRUNRで再び〜ウォンバットが繁殖している明確な証拠だ。

動画を見る限り、ウォンバットの幼獣は健康そうだ。被毛は滑らかで目立った外傷もない。ハウはこの個体について、2023年に別のウォンバットの大きな袋(育児嚢)に入っていた幼獣の可能性が高いと考えている。

ウォンバットは、コアラやカンガルーなどオーストラリアを代表するほかの動物たちと同じ有袋類だ。幼獣は生まれてからしばらくの間、母親の育児嚢の中で安全に守られる。

「このウォンバットはかなりたくましく、餌をよく食べ、十分な栄養をとっていることがわかる」とハウは補足する。

「全体として、この短い動画はRUNRの個体群の状態について多くを語っており、ウォンバットの繁殖に適切な条件が整っていること、ウォンバットたちが快適に過ごしていることを示唆している」

RUNRのモーションセンサーカメラは、オーストラリア気候変動・エネルギー・環境・水資源省の在来種保護プログラムの連邦助成金によって設置されたもので、RUNRに暮らすウォンバットたちの観察に役立っている。

38万4000ドルの助成金はまた、防火管理戦略の策定、雑草の防除、野生草食動物の侵入防止など、さらなる調査と保護活動にも役立てられる。防火管理は特に重要だ。2020年の報告によれば、5億匹近くの哺乳類、鳥類、爬虫類が火災の影響を受けている。

(翻訳:ガリレオ)

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