地下に敷設済みの通信用光ファイバーにセンシング機能を付与して交通量を測定した

NTTとNECは30日、光ファイバーで一般道の交通量を測定する実証実験をしたと発表した。地下に敷設済みの通信用の光ファイバーにセンシング機能を付与し、通行車両の平均車速や道路の交通量を可視化した。インフラ監視や防災といった用途での活用を見込む。

実証は大阪市内で、2023年12月〜24年7月に実施した。NTT東日本とNTT西日本も参加し、次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」と接続した光ファイバー網を使った。5台の振動センシング装置をIOWNの通信網とつなぎ、既設の通信網5ルート、延べ37キロメートル分の光ファイバーケーブルで交通振動を面的に同時測定した。

200メートル四方の分解能でリアルタイムに可視化した。車両の速度と台数の解析結果は5地点で現地測定したデータと一致する傾向を示したという。

光ファイバーを使った交通量の測定は以前から実施されてきたが、一般道で実施したのは今回が初めて。IOWNは大量データの高速転送が可能で、高度にデータを解析できる。一般道は高速道路などの長い直進道路とは異なり、交差点などが多く存在する。一般道の短い直進道路でも速度、台数を検出できることを確かめた。

NTTなどが今回考案したセンシング技術は地下管路に敷設された既設の通信用の光ファイバーを活用できる。カメラなど屋外に設備を設置する必要がなく、低コストで広域を面的に把握できる利点がある。

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