公益財団法人大隅基礎科学創成財団(横浜市)は16日、中高生らが研究者と語り合う「サイエンスカフェ」を埼玉大学(さいたま市)で開催した。植物が外部の刺激に反応するメカニズムを研究する同大学の豊田正嗣教授が登壇。参加者は研究装置で植物を観察したり、教科書に載っていない最先端の学説に触れたりして、大学の学びや研究を体験した。

大隅基礎科学創成財団がサイエンスカフェを初開催した(16日、さいたま市)

豊田教授は植物の信号伝達のメカニズムなどを解明し、植物も動物のような感覚を持つことを示す成果の数々が世界的に注目されている。16日のカフェには中高生ら約10人が参加し、実際に植物の反応を観察する実験などを交えて大学の研究体験を楽しんだ。

同教授は「一方的な講義にするのではなく、対話をしながら理解を深めてもらうことを意識した」と話す。参加者は若手研究者も交えた会話の場で研究の道に進んだきっかけなどを自由に質問した。

将来研究職を希望しているという高校1年の男子生徒は「研究のやりがい、研究室の雰囲気など、現場で活躍する研究者から生の声を聞くことで参考になった」と話した。

カフェを主催した大隅財団は2017年に設立。ノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典氏を理事長とし、生物学や周辺分野の基礎研究への助成などをしている。大学を会場としたサイエンスカフェを開催するのは初めてで、今後も全国で取り組みを続けていく。

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