日本、韓国、台湾の石油化学産業によるプラスチック生産能力は年間4199万トンで、二酸化炭素換算で年9993万トンの温室効果ガス排出につながっている可能性があるとの報告書を、環境NGOグリーンピース東アジアが発表した。この排出量の規模は、日本全体の年間排出量の約1割に相当する。
プラ汚染根絶のための国際条約策定に向けた政府間交渉委員会の最終会合が韓国・釜山で開催中で、生産段階の対策のあり方が焦点になっている。報告書は「世界の気温上昇を産業革命前から1・5度に抑える目標に整合する強力な条約が必要だ」としている。
グリーンピース東アジアは企業の公開情報などに基づいて、生産能力などを分析。日韓台のうち最も生産能力が高いのは韓国(1992万トン)。大手財閥企業が生産を主導しており、温室効果ガス排出量は4955万トンと推定した。
日本、台湾の生産能力はそれぞれ1304万トンと902万トン。排出量はそれぞれ2761万トン、2277万トンと見込まれた。報告書では、日本の政策が生産能力は維持し、プラ資源のリサイクルを推進することに主眼が置かれていると指摘した。
報告書は近年、石油化学産業は生産能力の過剰という問題に直面しているとし、「日韓台のプラスチック生産能力と温室効果ガス排出は経済的にも環境的にも持続可能ではない」と強調した。【大野友嘉子】
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