北海道千歳市はラピダス進出を踏まえた将来ビジョン案を取りまとめた(11月、同市で建設が進むラピダス工場)

北海道千歳市は3日、半導体産業の集積を見据えたまちづくりの方針を定める「将来ビジョン」案を公表した。最先端半導体の量産を目指すラピダス進出に伴う転入者や出張者の増加で生まれる消費効果は、2023〜40年の累計で1423億円にのぼると試算した。

ラピダスが市内に工場を4棟建設すると仮定して、出張者や転入者数を推計した。定住・交流人口の拡大に伴う飲食や宿泊費、家賃などの増加を消費効果とし、国の統計をもとに算出した。

年平均では80億円程度の効果が見込まれる。経済センサスによると、千歳市内の年間商品販売額は直近で約1680億円だった。出張者は、常時2000人前後が市内に滞在すると見込む。ラピダスや装置メーカーなどの社員や家族が増え、転入者は25〜40年の累計で約7800人に上ると予想した。

人口ビジョンの改訂案も同日、公表した。目標とする人口10万人の達成時期について、中間報告では従来の30年から2年前倒しになるとしたが、最新統計を踏まえて30年になると修正した。ピークの36年には10万2200人強まで増えると試算した。

住民基本台帳によると、千歳市の24年人口は10月時点で9万7545人だった。国立社会保障・人口問題研究所が23年に公表した国勢調査に基づく人口推計では、ピークは20年(9万8000人弱)で、30年には約9万6600人まで減るとされている。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。