東レは16日、商用の電気自動車(EV)など向けに高温、高電圧に対応したフィルムを開発したと発表した。モーター駆動を制御するインバーターの動作を安定化させるフィルムコンデンサー向けで、耐熱温度はセ氏150度と従来より40度ほど上げた。試作品の提供をすでに始めている。2028年ごろの実用化を見込み、35年に50億円の売り上げをめざす。
高い耐熱性が求められる商用のEVトラックや空飛ぶ車などへの採用を見込んでいる。車載インバーターでは高温でも稼働する炭化ケイ素(SiC)のパワー半導体の採用が増えてきている。周辺部品も高温に対応できれば、冷却システムの簡素化につながり、小型化や軽量化がしやすい。開発したフィルムは素材を変えて2層形式にし耐熱性を高め、高電圧にも対応する。コンデンサーの長寿命化にもつなげられる。
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