見つかった骨について説明する国立科学博物館の甲能直樹・生命進化史研究グループ長(右)=岐阜県瑞浪市化石博物館で2024年4月11日、稲垣洋介撮影
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 岐阜県瑞浪市の1650万年前の地層から見つかった絶滅哺乳類「パレオパラドキシア」の化石について、市化石博物館は、全身の7割にあたる119点の骨が発見されたと発表した。研究者は「保存状態が極めて良く、よくわかっていなかった生態の解明につながる」と期待を寄せる。【稲垣洋介】

 「謎めいた古生物」という意味のパレオパラドキシアは、2300万~1200万年前に現在の日本や米国西海岸で生息。体長2メートル前後で4本の脚があり、海を泳ぎ、陸も歩いたとされる。

復元骨格イメージ(海中での状態)=岐阜県瑞浪市提供
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 化石は2022年に瑞浪市の土岐川河岸で、頭部を含む全身の骨格がほぼ完全な形で発掘され、専門家チームが解析を進めてきた。

 発見された骨は、変形していない背骨や肋骨(ろっこつ)などで、右後ろ脚は大腿(だいたい)骨から指の骨までつながっていた。骨の形状などから、基本的に水中で生活していたとみられる。また、奥歯のすり減り具合などから、年老いた個体であることも判明した。

 国立科学博物館の甲能直樹・生命進化史研究グループ長は「一個体の重要な部分がそろって出ており、ようやく全体像が見えてきた」と評価。水中での暮らしぶりや食性などの研究をさらに進めるという。

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