KINTOは2024年5月27日、「クルマとお金」に関する意識調査の結果を発表した。その結果、働く世代が定額減税分を消費に回そうと考えているのは2割ほどで、賃上げでもクルマへの出費額は前年なみと考えている人が多かったことがわかった。

文:ベストカーWeb編集部/写真:KINTO

■「移動」のモチベーションは堅調で2024年の旅行で使いたい手段は「クルマ」が首位

定額減税分は貯蓄するという人が6割近くにのぼった

 今回のアンケートの調査方法は、IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー」の企画によるインターネット調査で、調査期間は2024年5月7〜同年5月9日まで、有効回答数は60歳以下の働く世代530名となっている。

 まずは「Q1.2024年6月から所得税・住民税をあわせてひとりあたり計4万円の定額減税が実施される予定です。あなたは、この定額減税により増加する手取り金額の4万円分を「貯蓄」と「消費」のどちらに回すつもりですか」と質問したところ「消費」は6.8%、「どちらかというと消費」は12.5%と、「消費に回す」はあわせて2割弱にとどまった。

 一方、「貯蓄」は28.0%、「どちらかというと貯蓄」は31.5%と、「貯蓄に回す」は合わせて約6割にのぼり、過半数を占めた。

Q2では「定額減税分の4万円は緊急時の備えに使いたい」と回答した人が約4割にものぼった

 さらにQ1で「貯蓄」「どちらかというと貯蓄」と回答した人に、「Q2.具体的に4万円を将来何に使っていきたいと考えていますか」(複数回答)と質問したところ、「緊急時の備え」が38.6%でトップとなり、続いて「退職後の生活資金」が31.3%、「食費」「旅行」がいずれも17.1%と並んだ。なお、2024年1月から新NISA制度が始まった影響もあってか、「投資」は13.9%に。

 Q1で「消費」「どちらかというと消費」と回答した人に、「Q3.具体的に4万円を何に使いたいと考えていますか。(複数回答)」と質問したところ、「趣味」が45.1%とトップとなり、続いて「食費」が44.1%、「旅行」が28.4%だった。

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■定額減税分はクルマの税金に充てたい人が約6割に

4万円分は税金に充てたいと考える人が約6割に

 Q2またはQ3で「クルマ関連費」と回答した人に、「Q4.定額減税分の4万円をクルマに関する何に充てたいと考えていますか」(複数回答)と質問したところ、5月の自動車税の納付シーズンを念頭においてか、「税金」が58.3%とトップに。これに続いて「メンテナンス費」が47.2%、「クルマを購入する資金の一部」が41.7%だった。

「クルマを所有している」と回答した人に、「Q7.あなたがクルマにかけている出費(車両の購入/利用費用に、ローン、保険、税金、ガソリン代、駐車場代、ランニングコストの支払いなども加えた全体)は月あたりに換算すると、どの程度ですか」と実感について質問したところ、「2万円台」が23.8%%でトップとなり、これに続いて、「1万円台」が23.3%、「1万円未満」が18.8%となった。

マイカーを所有していない層が考えたクルマ関連の出費は1万円台が許容範囲に

「クルマを所有していない」と回答した人に、「Q8.あなたが仮にクルマを所有している場合、クルマにかける出費(車両の購入/利用費用に、ローン、保険、税金、ガソリン代、駐車場代、ランニングコストの支払いなども加えた全体)は月あたりどの程度が許容範囲ですか」と質問したところ、「1万円台」が13.5%でトップとなり、Q7の回答が示したクルマ所有者の実感とは一定の乖離があることが判明。

「クルマを所有している」と回答した人に、「Q9.2024年、定額減税や賃上げ、株価上昇などの要因で可処分所得が増加する場合も踏まえて、あなたはクルマにかける出費を2023年に比べてどのようにしていきたいと考えていますか」との質問には、「前年から変更しない」が35.1%と、「増やしたい」「減らしたい」のいずれをも抑えてトップとなった。

 クルマの所有有無にかかわらず、「Q10.足もとの経済状況を踏まえて、保険や税金など諸経費を含めた月々定額の利用料を支払って、3年や5年などの一定の利用期間だけクルマを利用する『クルマのサブスクリプションサービス』に興味がありますか」と質問したところ、「非常に興味がある」が6.6%、「やや興味がある」が33.0%と、「興味がある」は合わせて約4割だった。

■国内旅行の移動手段としては「クルマ」を約7割が利用

2024年のゴールデンウィークに国内旅行した人の約7割がクルマを利用

「Q11.あなたは今年のゴールデンウィークに旅行しましたか」と質問したところ、「はい」は41.9%で、Q11で「はい」と回答した人に、「Q12.国内・海外どちらに旅行したか教えてください」(複数回答)と質問したところ、「国内」が99.0%と、圧倒的に多数を占めた。

また、Q11で「はい」と回答した人に、「Q13.今年のゴールデンウィークに旅行した際に、主な『移動の足』として何を利用しましたか」(複数回答)と質問したところ、「クルマ」が68.9%とトップとなり、続いて「電車/新幹線」が31.5%、「飛行機」が26.6%だった。

今後の旅行の移動時の足には6割超がクルマを選んだ

「Q14.2024年は3日以上の連休が11回ある「当たり年」と言われ、例年より旅行の機会も増えると予想されるなか、今後、旅行の際にあなたが主に利用したいと考えている「移動の足」を教えてください」(複数回答)と質問したところ、「クルマ」が60.4%とトップとなり、続いて「電車/新幹線」が47.2%、「飛行機」が35.5%に。

■3連休以上が11回もある当たり年の2024年

国内旅行のニーズは潜在的に高く、その際の足にはクルマを選ぶユーザーが多いことが判明

 KINTOでは、2024年に入り、歴史的な賃上げや株価の史上最高値更新、定額減税など、可処分所得の増加につながる出来事が相次ぐ状況を踏まえて、今回、「クルマとお金」をテーマに、働く世代の意識を調査。

 まず、所得から税金や社会保険料などを差し引き、自分の意思で自由に使える「可処分所得」が2024年に「増加しそう」と回答したのは約4割と、「減少しそう」の2割弱を上回ったのに加えて、過去5年を振り返った場合にも、「増加した」が「減少した」を上回り、働く世代の一定の割合が自らの可処分所得についてポジティブに受け止めていることがわかった。

 一方、2024年6月から実施予定の定額減税については、減税分の4万円を「消費に回す」としたのは2割弱にとどまったほか、「貯蓄に回す」とした多くが「緊急時の備え」に充てると回答するなど、円安の進行を受けた物価高騰などもあってか、依然として家計は厳しい状況にある実態が浮き彫りに。

 こうした傾向は「クルマ」についても同様で、仮に可処分所得が増えたとしても、「クルマにかける出費を前年から変更しない」がトップとなった。なお、普段クルマにかけている出費の実感は「月2万円台」が最も多く、個人収入の平均が400万円台とされるなかでこうしたボリュームは小さくないことから、多くの人たちの間で「クルマにかける出費を今よりさらに増やそう」というモチベーションは高まっていない現状が垣間見えた。

 その一方、「移動したい」というモチベーションは堅調で、それを実現する手軽な手段として、「クルマ」に根強いニーズがあることもわかった。2024年のゴールデンウィークは円安の影響もあってか、大多数が国内での旅行を選んだと回答し、最も多く利用された「移動の足」は「クルマ」だった。

 さらに、2024年は3日以上の連休が11回もある「当たり年」で、旅行の機会が例年より多くなると見込まれるなかで、利用したい移動手段の首位となったのも「クルマ」となった。

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