デザインだけでなく、性能面でも高い評価を得ている近年のマツダ車。SUVブームの中で発売されたCX-60に着目してみると、その性能、出来映えは非常に優秀。では何がそこまで高く評価されているのだろうか

文:藤野太一/写真:ベストカーWeb編集部

■デザイン以外にも「らしさ」が詰まったCX-60

2022年に発売されたマツダのCX-60。全長約4.7mとミディアムサイズながら、上級モデルに迫る高級感、快適性能を有している

 近年マツダはスモールとラージ、2つの新世代商品群の開発を進めてきた。スモールの第1弾がマツダ3。そして、ラージの第1弾が2022年6月に国内発表されたCX-60だ。

 その最大の特徴は、縦置きエンジン+後輪駆動プラットフォームであること。この時代にわざわざFR用プラットフォームを新規開発するというマツダの志に、クルマ好きなら意気に感じるというものだろう。

 エクステリアは、マツダのデザイン哲学である魂動デザインの進化版。真横から見れば、後輪駆動プラットフォームの利点を活かした、ロングノーズ+ショートデッキで、CX−5と見比べてみると伸びやかなスタイルになっていることがわかる。

 パワートレインは、日本仕様では、3.3L直6ディーゼルターボの「SKYACTIV D 3.3」、それに48Vマイルドハイブリッドを組み合わせた「e-SKYACTIV D 3.3」、2.5L直4ガソリンの「SKYACTIV G 2.5」、それにモーターとバッテリーを組み合わせた「e-SKYACTIV PHEV」という4種類が用意される。

 トランスミッションは全グレードに新開発の8速ATを組み合わせる。トルクコンバーターレスとし、かわりに湿式多板クラッチを採用することで、ダイレクトでリズミカルな変速を実現するものだ。

 インテリアの質感も高い。ナッパレザーのホワイトやタンの内装などは、プレミアムな輸入車にも比肩する仕上がりだ。メーターは12.3インチの液晶パネルで、センターディスプレイも12.3インチとなっている。

 いまどきのタッチパネル式ではなく、手元にインフォテイメントシステムのコントロールダイヤルやセンターパネルにエアコンの操作パネルを配置するなど物理スイッチ類を多く残している。

 このあたりは、走行中はできるだけディスプレイを注視させないマツダの安全哲学という。

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■SUVであってもしっかりと人馬一体

 マツダといえば従来からオルガン式アクセルペダルやペダルレイアウトなどにひとかたならぬこだわりをもってきた。マツダらしいのが、それをさらに効果的なものにするべく新機能の自動ドライビングポジションガイドを搭載したこと。

 ドラポジは自己流という人は案外と多いもの。正しいドラポジをとっていないとせっかくのペダルレイアウトも台無し。

 しかしこれがあれば、ドライバーの目の位置を検出するカメラと身長を入力したデータから体格を推定し、自動でマツダが考える人馬一体のシート位置などにセッティングしてくれるのだ。

どんなボディタイプであろうとも、スポーティさを追求するマツダ。そのDNAはしっかりとCX-60にも受け継がれている

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■知れば知るほどコスパ最高のCX-60

FRをベースにした4WDシステムの「i-ACTIV AWD」を採用

 そして縦置きプラットフオームだけに、ロードスター譲りのKPC(キネマティック・ポスチャー・コントロール)が採用されており、ロールも少なくビタっと安定してコーナーを曲がることができる。

 また最新のADASはもちろん、マツダが以前から研究開発を進めているドライバー異常時対応システム(DEA)も搭載されている。ドライバーの状態をモニタリングし、異常を検知しドライバーが運転に復帰できないと判断すると自動で減速、停止し外部へ緊急通報を行うというもの。

 一度テスト車両で体験したことがあるが、周囲を巻き込んでしまうような事故を未然に防ぐすぐれた機能だ。

 世界が電動化に向けて突き進む中、あえて冷静にFRプラットフォームや直6エンジン、トランスミッションまでを新規開発してきた。

 それでいてスタートプライスは322万3000円〜。もっとも高価なPHEV Premium Sportsでも646万2500円。

 これもCEV補助金55万円+自治体の補助金45万円(東京都の場合。各自治体によって変動)が受けられ、そして環境性能割非課税、重量税&自動車税減税なのだから、円安で輸入車は軒並み値上げし、あらゆる物価が高騰傾向のいまにあってコスパ最高といっていいと思うのだ。

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