俳優松重 豊さんがベストカーに初登場! 実は松重さんは、試乗が趣味という、かなりのクルマ好きだった! 近所に住むモータージャーナリスト岡本幸一郎さんと意気投合し、ベストカーに出演する運びとなった。ベストカーWeb出演第1回は「マツダMX-30ロータリーEV」の試乗インプレッション。はたしてMX-30ロータリーEVをどう評価するのか? モータージャーナリスト、岡本幸一郎さんがホスト役となって、2人の対談形式でお届けする。
まとめ:岡本幸一郎/写真:奥隅圭之/ヘアメイク:高橋郁美/スタイリスト:増井芳江/撮影協力:海の森水上競技場
■松重豊さんはかなりのクルマ好きだった!
俳優松重 豊さんといえば、主な出演作にドラマ『孤独のグルメ』、映画『しゃべれども しゃべれども』『ディアドクター』『ヒキタさん!ご懐妊ですよ』『ツユクサ』など、舞台、テレビ、映画と様々な作品で名バイプレーヤーの実力派俳優として知られる。
その松重さんの自宅近所に、数年前、モータージャーナリストの岡本幸一郎さんが引っ越してきた。岡本さんはモータージャーナリストという仕事柄、いろいろなメーカーの広報車を借りて自宅駐車場に停めているのだが、松重さんはそんな状況を見ていて不思議に思っていたという。そんなある日、2人は駐車場でバッタリ出会った。
こうして出会ったそばから、2人は意気投合し、クルマ談義が始まったという。岡本さんは、まさか松重さんが、こんなにクルマ好きだとは思っていなかったため、大変驚き、ぜひ、自身が執筆している、『ベストカー』に出演してみては……と編集者に声がかかったのだった。
そこで、まずは、PHEV(プラグインハイブリッド)、EV(電気自動車)、FCEV(燃料電池車)に試乗する企画を立て、PHEVはマツダMX-30ロータリーEV、EVは日産アリアB9 e-4FORCE、FCEVはトヨタクラウンセダンFCEVの3台を選んだ。
この模様は、ベストカー7月10日号(6月10日発売)をはじめ、ベストカーチャンネル(動画)とベストカーWebでは「マツダMX-30ロータリーEV」編を6月10日20時30分に公開予定。その後、随時公開していく予定だ。
■マツダMX-30ロータリーEVを試乗!
松重さんは、「最新電動車のPHEV、EV、FCEVは今どうなのか、非常に気になっていて乗ってみたい!」とおっしゃっていたので、3車種の広報車をお借りして試乗することになった。今回紹介するのはマツダMX-30ロータリーEV。はたして、松重さんはどう評価するのか?
岡本幸一郎(敬称略、以下岡本):まずは、マツダのMX-30ロータリーEVです。MX-30のことはご存じでしょうか?
松重豊(敬称略、以下松重):知っていましたが、乗るのは初めてですね。
岡本:「MX-~」というのは、マツダ車のなかでもスポーティであるとか、新しい何かを持つクルマを意味します。実はロードスターも海外では「MX-5」という車名です。
松重:だから、CX-30やCX-60など、CX-〇という名が付けられたクルマとデザインがぜんぜん違うんですね。
岡本:クーペっぽくなってますよね。
松重:マツダはある時期からデザインのテイストがずいぶん変わって、とくにフロントグリルの感じが気に入っていました。MX-30はその流れとは違う雰囲気ですが、これはこれでありですね!
岡本:このクーペっぽいデザインを実現するために、ドアも工夫されています。RX-8譲りの“フリースタイルドア”ですね。
松重:おおっ、観音開き!
岡本:ピラーレスで間口が広いので、松重さんよりもっと背が高い人でも乗り降りしやすいです(笑) 。リアドアはフロントドアを開けないと開け閉めできない作りになっています。
松重:リアシートはいかにも狭そうに見えましたが、乗り込んでしまえばそんなに狭くないですね。インテリアも独特です。
岡本:SDG‘Sを意識して、ペットボトルをリサイクルした素材やコルクが使われているのが特徴です。実はコルクってマツダと切っても切れない深い関係があるんですよ。
松重:というのは?
岡本:マツダの前身は東洋コルク工業というコルクを生産するメーカーだったんです。それとこのクルマのコンセプトに合うことから、あえてコルクを使ったらしいです。
松重:それは知らなかったです。悪くないですね。
■1ローターの発電用エンジンは「遠くで電気工事をやっている感じ……」
岡本:では、ぜひ試乗していきましょう。
―走行開始―
岡本:100%モーター駆動なので、走りは基本的にEVと同じです。ところで松重さん、ロータリーにまつわるエピソードは何かありますでしょうか?
松重:そういえば親父がかつてコスモに乗っていました。「ロータリーというのはなぁ、おにぎりの形をしたものが回って、高回転型で高出力なんだぞ。でも燃費がめちゃくちゃ悪いんだぞ」ってウンチクたれていましたね(笑)。
岡本:なんと、そんな過去が(笑)。コスモスポーツではなく、2代目のコスモAPですか?
松重:そうです。当時としては大柄なクーペです。そのロータリーが復活したというから、それは一大事だと思っていたんだけど、発電専用なんですよね?
岡本:おっしゃるとおりで、ロータリーは駆動力には直接関与しません。
松重:そこが残念だけど、バッテリーだけでどれぐらい走れるんですか?
岡本:最大で107kmです。どのようにエンジンをかけて充電するか、いろいろ任意で設定できるようになっているし、急速充電にも対応しています。
―エンジンが始動してー
松重:おっ、かかった! ……うーん音が、なんだか遠くで工事をやっているみたいな……。
岡本:さすが松重さん、表現がユニークです(笑)。
松重:アクセルを踏んでも、この音だとワクワクしないかな。
岡本:ファンからも、とにかくロータリーが帰ってきた!という歓迎の声もあれば、発電専用なので、ガッカリしたという声も小さくないようです。
松重:それにしても、マツダはロータリーの開発をずっと細々と続けていて、いざ作るぞとなったときに開発者を集結させて、このクルマを作り上げたということですよね。それはよくやったと思いますよ。
岡本:そうですよね。
松重:せっかくのロータリーが発電だけというのが残念だけど、ぜひさらなる発展版に期待したい。ロータリーの未来が気になります。
岡本:公開されている特許の資料に目を通してみると、マツダはさらにロータリーを活かしたいろいろなことを考えているようです。なかにはちゃんとロータリーを走るほう(駆動用)に使いそうなものもあるんですよ!
松重:それはますます気になります。
■マツダMX-30ロータリーEVの採点結果は?
―撮影拠点に戻ってー
岡本:さて、MX-30ロータリーEVの評価はいかがでしょう? 5点満点で採点していただきたいと思います。忖度なしでお願いします。
松重:3.5点です。マツダというメーカーはトヨタや日産に比べると会社の規模は小さいけど、非常にワクワクさせるクルマを次々と出してくるので、ニューモデルの情報があるたびに楽しみにしています。
今回のMX-30も、僕らが子供の頃からおなじみのロータリーエンジンが復活するというので楽しみにしていましたが、正直、期待したほどロータリーのありがたみが感じられなかったので、現時点ではこれぐらいでしょうか。今後の展開を楽しみにしたいと思います。
岡本:なるほど。ありがとうございました!
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いかがだったでしょうか? 次回は日産アリアB9 e-4ORCE(6月21日19時公開)をお届けします。
【松重 豊 プロフィール】
俳優。1963年1月生まれ、福岡県出身。蜷川スタジオを経て、1992年、黒沢清監督『地獄の警備員』で映画デビュー。以降、舞台、ドラマ、映画と幅広く活躍。近年の主な出演作に、『ヒキタさん!ご懐妊ですよ』(細川徹監督)、『ツユクサ』(平山秀幸監督)、『青春 18×2 君へ続く道』 (藤井道人監督)など。ドラマでは、『孤独のグルメ』シリーズ(テレビ東京)、『きょうの猫村さん』(テレビ東京)、大河ドラマ『どうする家康』(NHK)など。また、エフエム横浜『深夜の音楽食堂』にてラジオパーソナリティも務め、雑誌クロワッサンで「たべるノヲト。」を連載中。2020年には自身初の書籍「空洞のなかみ」、2023年には枡野俊明さんとの共著「あなたの牛を追いなさい」を刊行する
【岡本幸一郎 プロフィール】
モータージャーナリスト 1968年5月生まれ。生まれは富山県滑川市だが、父の仕事の都合で幼少期を横浜の小机で過ごす。その頃に早くもクルマに目覚め、街を走るクルマの車名をすべて言い当てるほどのクルマ好き少年となる。学習院大学卒業後、自動車情報ビデオマガジンの制作や自動車専門誌の編集に携わったのちフリーランスへ。あらゆるカテゴリーを幅広く網羅し、ユーザー目線で情報発信することを身上としている。2024年5月現在、乗り継いだ愛車は26台。幼い男女二児の父。2004年より日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員、2008年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員となる
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