先代ソリオを2回も購入した編集木村に言わせれば、もっと売れてもイイと思ってしまうほど良くできているのだ。でも販売台数を見るとルーミー兄弟に大きく差をつけられている。これはきっと販売店の数の違いか!? と思っていたのだが、有識者によれば違う要因もあるようだ。その真相がかなり衝撃です!!!!!!

文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部

■使いやすさピカイチなのに…しかもハイブリッドもあるのに何故負ける!?

ライバルのルーミー兄弟はハイブリッドの設定なし。ソリオは3種類のエンジンランアップがあるのはお見事

 スズキのコンパクトトールワゴンであるソリオ。現行型は2020年末にデビューし、通常モデルとドレスアップモデルのバンディットが用意されるワイドバリエーションとなっている。

 軽自動車を得意とするスズキの車両だけあって、コンパクトなボディの中に豊富な収納スペースや使い勝手の良いシートアレンジなどのアイデアが詰め込まれており、ガソリンモデルのほか、マイルドハイブリッド仕様とストロングハイブリッド仕様の2つのハイブリッドモデルを用意するなど、クルマとしての魅力は非常に高いように思える。

 しかし実際の販売台数をみてみると、実質的なライバルであるルーミーにかなりの差を付けられているのが現状だ。ルーミーは2016年デビューでさすがに古さを隠しきれなくなりつつあるにもかかわらず、なかなか販売台数で上回ることができない理由はどこにあるのだろうか?

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■価格にシビアなファミリー層が中心顧客であるが故のツラさがある!?!?

価格がちょっとだけ高いのもネックになっている可能性も

 クルマとしての仕上がりはルーミーに勝るとも劣らないソリオであるが販売台数に差があるのは、もちろんトヨタが誇る販売網の強さという点も大きく影響していることは間違いない。

 しかしそれ以上に影響していると考えられるのが車両本体価格だ。ルーミーは最上級グレードのカスタムG-Tでも205.6万円となるが、ソリオの場合は中間グレードのHYBRID MZでも209.44万円と高くなってしまうのだ。

 もちろんソリオは1Lエンジンのみのルーミーに対して、1.2Lの排気量を持ち、ハイブリッドシステムも搭載しているため価格が高くなってしまうのは当然。だが、走りにそこまでのこだわりを持たないファミリー層にしてみれば、同じくらいの広さの室内空間を持つモデルであれば安い方がありがたいのである。

 そしてソリオのエントリーグレードであるガソリンモデルで比較してみても、1.2Lエンジンが故に自動車税などがルーミーに比べて高くなってしまう上に、ソリオの方が8万円ほど高額。さらにルーミーはモデル末期ということもあって好条件が出やすいというアドバンテージも少なからず影響しているのだろう。

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■ハイブリッドいいけどAGSがなぁ……ってな声も!? 車幅狭いゆえの悩みも、、、

 逆にハイブリッドに魅力を感じてソリオを選ぼうとしたとしても、ストロングハイブリッド仕様の最上級グレードは、トランスミッションが5速AGSとなる点もネックと言えそうだ。

 マニュアルトランスミッションをベースにクラッチ操作や変則操作を自動化し、AT限定免許でも乗ることができるAGS(オートギアシフト)は、マニア的には2ペダルながら操る楽しみのあるトランスミッションであるが、ファミリー層にとってはギクシャクする使いにくいミッションという印象になることは想像に難くない。

 またボディサイズもルーミーよりも全幅が狭く全高が高いスタイルとなっており、一見すると狭い道でも扱いやすく室内空間も広いというメリットばかりのように感じるが、幅が狭く背が高いが故に横風に煽られやすいという弱点があり、高速道路などで怖い思いをしたという声も少なくないのである。

 このように、クルマ単体として考えれば美点も多いソリオであるが、メインターゲットのファミリー層からしてみると選びにくい理由が多いというのもまた事実。まもなくライバルのルーミーはフルモデルチェンジを控えていると言われているが、両車の今後の動向に注目したいところだ。

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