日本列島は35度を超えるような猛暑に今年も襲われるだろう。であれば今のうちからクルマも人もそれに備えたカスタマイズとメンテナンスを施しておきたい。
クルマを傷めないためのメンテナンスもあるし、人間が暑さを緩和できるカスタマイズもある。そういったものを駆使して、この暑い夏を快適に乗り切ろう。
1:クーラント交換&洗浄で冷却効率アップ
まず、冷却系は健全であれば問題がないが、製造から10年以上経っているのであれば、クーラント交換の履歴等を確認しておきたい。クーラントは濃すぎると冷却性能が落ちるので適切な濃さであることが大事。
また、意外と見落としがちなのがラジエーターなど水路の汚れ。水が循環しているだけのはずなのだが、徐々に内部にスラッジなどが溜まって、ラジエーター内に堆積していることがある。
クーラント交換だけでなく、内部を水でよく洗浄することで、そういった汚れを取り除くことができ、冷却効率アップに効果的だ。
また、製造からある程度年月が経っているのであれば、ウォーターポンプとサーモスタットが健康かどうかも確認したい。ウォーターポンプは徐々に羽根が痩せて水を送る力が弱まってくる。サーモスタットは固着して開かなくなったり、開きっぱなしになっていることもあるので、製造から10年以上経ったクルマであれば、ウォーターポンプとサーモスタットを新品に交換しても損はないだろう。
2:エンジンオイルは固めを選ぶのもアリ
エンジンオイルは通常の交換サイクルの中で交換していれば問題ないが、特に熱に厳しいエンジンや渋滞に長時間ハマるようであれば、やや固めのオイルをチョイスするのも手。
整備マニュアルにはエンジンオイルの指定粘度が書いてあるが、その中である程度の幅があることも多い。例えばエンジンオイルは0W20または5W30を指定する、と言うようなクルマもあり、そういった場合、夏場は油温が上がりやすいので、硬い方の5W30のオイルを選んでおくのもいいだろう。
3:エアコンガスは規定量を守ることが大切
エアコンガスは適正量が入っていることが大事。ガスが抜けるとエアコンが弱くなってくるが、入れすぎるとコンプレッサー異常で停止してしまうため、許容範囲内の適正な量が入っていることが重要。
これは新車時でもばらつきがあり、許容範囲内には収まっているものの多めだったり少なめだったりすることがある。そこで最近はエアコンガスを一旦抜いてきちんと量を入れ直すサービスを行っているショップがある。
効果としては、エアコンの効きが良くなることと、効きが良くなることによってコンプレッサーの作動時間が短くなることで燃費が良くなるという。
エアコンガス添加剤もあるが、エアコン修理専門店によると必ずしも添加剤とコンプレッサーの相性が良いとは言い切れない。エアコンの効きが弱くなったと思ったら、まず添加剤を入れる前にきちんとしたエアコンガスの量が入っているかを測定確認し、それからどういったものを添加するかなどプロショップの判断を仰ぎたい。
4:ガラスフィルムは、暑さ対策に有効
熱をカットするガラスフィルムの貼り付けは、夏場の暑さを防ぐのに有効。フロントガラス運転席助手席側のガラスは70%以上の透過率が必要。そもそもガラスの透過率が100%ではないので、ほぼ透明のフィルムしか貼ることができない。車種によっては、透明のフィルムでも車検NGになる場合があるので、注意が必要。
実際フィルムを貼るとエアコンの効きや直射日光の肌に対する暑さに圧倒的な効果がある。最近のクルマはほとんど紫外線カットガラスになっているが、熱線カットフィルムを貼ることでその涼しさは数段アップされる。どのフィルムなら車検に通るなどは車種によっても変わってしまうのが難しいところなので、プロショップでの現場判断になるが左右ガラスやフロントガラスへのフィルムの貼り付けは有効だ。
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